「もういくつ寝るとお正月」――縁起物、御供物として日本のお正月に欠かせないもののひとつ、お餅。大きな臼と杵を出して町内で餅つき大会、という光景は今も全国各地で見られますね。では、「餅つき踊り」は知っていますか……?

「餅つき踊り」って?

餅つき踊りは秋から冬にかけて行われる民俗芸能のひとつです。杵を振りながら歌とともに臼の周りでリズミカルに踊り、餅をつきます。餅のつき方、踊り方は何種類もあり、3人が息ピッタリに素早く餅をつくものや、全身を使って大きく踊るものまで!迫力満点です。

つきたてほかほかの餅は観客に振る舞われます。大きな杵を振りかざして踊る姿は景気良く、七五三や正月など祝いの場で催されます。

なぜ埼玉で餅つき踊りが行われるの?

米食文化の日本では、青森県東通村の「田植え餅つき踊り」をはじめ全国各地に餅つき踊りが点在していますが、なかでも埼玉県は餅つき踊りの宝庫。

縁起には諸説ありますが、埼玉県内で多く語られているのは「接待餅つき」説です。江戸・日本橋と京都・三条大橋を結ぶ中山道の宿場で、訪れた大名や武士を歓待するための芸能として餅つき踊りが生まれ普及したといわれています。そのため、宿場町として栄えた大宮(日進)や上尾(藤波)、桶川(薬師堂・下日出谷)などでは今も餅つき踊りが盛んです。

一方、金谷の餅つき踊り(東松山市)は「坂上田村麻呂」伝説が伝えられています。

餅つき踊りの演目

餅つき踊りの演目は大別して、実際に餅をついて踊るものと、実際には餅をつかず細く軽い杵で餅つきの所作をして踊る「曲づき」の2種類があります。

まずは木遣り唄・麦打ち唄を歌いながらもち米をつぶし、餅に仕立て上げ、餅を振る舞った後に「曲づき」を踊るという流れが一般的なようです。この餅を食べると「風邪をひかない」「寿命が延びる」などといわれています。新春の縁起担ぎに、ぜひ餅つき踊りを訪ねてみませんか?

それでは、埼玉県で開催されているいくつかのもちつき踊りをご紹介しますね!

大勢の人が餅に集まる!「日進の餅つき踊り」

初詣の縁起物として、餅つき踊りを楽しみに大勢の参詣客が訪れます。県内の餅つき踊りのなかでも最大級の盛り上がりを見せます。

まつり詳細

まつり名
日進の餅つき踊り
開催期間
2019年1月1日(火)午前0:00〜0:30 頃
開催場所
日進神社(さいたま市北区日進町2-1194)
URL
さいたま市公式サイト

ヤンチャするなら踊らにゃソンソン「藤波の餅つき踊り」

上尾市藤波地区の鎮守・天神氷川八幡合社で奉納される「藤波の餅つき踊り」。起源は江戸時代後期、地元の名主・篠田金右衛門が若者に賭博をやめさせるために、もちつき踊りを娯楽として習わせたものとして伝えられています。

まつり詳細

まつり名
藤波の餅つき踊り
開催期間
2019年1月1日(火) 午前0:00〜0:30 頃
開催場所
天神氷川八幡合社(上尾市藤波1-282)
URL
上尾文化遺産ガイド

祝・成人!アグレッシブな大人の餅つき「南大塚の餅つき踊り」

元日開催が多い餅つき踊りですが、南大塚では成人の日前日に開催。もとは11月15日、七五三の帯解き祝いで上演されていました。西福寺から隣の菅原神社まで臼に綱をつけて曳きながらつく場面もあり、「引きずり餅」とも呼ばれています。

まつり詳細

まつり名
南大塚の餅つき踊り
開催期間
2019年1月13日(日)12:30〜14:30 頃 *1回20~25分程度×4回
開催場所
西福寺(川越市南大塚2-3-11)
URL
川越市公式サイト

若手の声で8年ぶりに復活!「金谷の餅つき踊り」

県の無形民俗文化財であり、300年の伝統を誇る「金谷の餅つき踊り」は保存会の高齢化により2010年を最後に途絶えていましたが、地元の若手から声が上がり2018年に復活して話題となりました。こちらは例年11月23日に開催。次回の開催にも期待が高まるところです。

岩殿山に住みついていた悪竜を征夷大将軍・坂上田村麻呂が退治し、地域の人々が喜びのあまり踊りながら餅をついてもてなした、というのが起源で、その後、五穀豊穣を感謝して毎年行われるようになりました。

まつり詳細

まつり名
金谷の餅つき踊り
開催期間
2018年11月23日(金)14:00~
開催場所
氷川神社(東松山市大字上野本520)
URL
東松山市公式サイト

「ホイト!」という掛け声が飛び交う!下日出谷の餅つき踊り

下日出谷の餅つき踊りは、300年の歴史を誇るといわれています。この餅つき踊りは、桶川市の無形民俗文化財の指定を受けています。
餅つき踊りは、臼の周りを横飛びに回ったり、「ホイト」という掛け声に合わせて餅をついていきます。餅がつき上がると、空になった臼の周りでは細い杵を使って「曲つき」が行われます。

まつり詳細

まつり名
下日出谷の餅つき踊り
開催期間
毎年3月15日に近い日曜日
開催場所
日出谷氷川神社(桶川市上日出谷13)

技巧的な演目も披露される「薬師堂の餅つき踊り」

薬師堂の餅つき踊りは、かつては薬師さまや観音さまの御開帳のときに披露されていました。餅つき踊りは、木遣り唄にはじまり、餅が練り上がると、四人一組になり餅をつき上げます。つき方には、太い杵でテンポよくつく演目と細い杵でつく技巧的な演目があります。演目の間には、華やかな衣装を着た地域の女性たちによって「万作」と呼ばれる踊りが披露されます。

まつり詳細

まつり名
薬師堂の餅つき踊り
開催期間
毎年3月18日に近い日曜日 ※餅つき踊りはお囃子と隔年で実施
開催場所
薬師堂集会所(桶川市川田谷)

今年度は開催が見送られましたが、「指扇の餅つき踊り」や川島町の「大屋敷接待餅つき踊り」など、埼玉県内には他にも餅つき踊りが伝えられています。迫力の踊りを間近に楽しめるうえに、つきたてのおいしいお餅も食べられるかもしれません。お近くの祭りにぜひ足を運んで楽しんでみてくださいね!

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