7月20日〜22日の3日間。本来ならこの期間は、熊谷市街が熱気に包まれる暑い日々となるはずでした。「熊谷うちわ祭」は今年、新型コロナウィルスの影響を受け、多くの行事・付け祭りが“自粛”という形となってしまいました。

しかしながら、祭り本来の「神事」は執り行われるとのことで、さいたまつりでは3日目(7月22日)の「本祭(ほんまつり)」の神事を取材いたしました。

もともと「悪病退散」の意味合いが強い熊谷うちわ祭。「1日も早くコロナウィルスの収束に繋がるよう、これらの神事を執り行うことで来年の開催を実現したい」といった関係者の強い想いが込められた行事となりました。

例年とは異なる、厳かで粛々と執り行われる本祭


本祭が行われるのは、祭り開催期間の最終日(7月22日)の午前中。
例年は、祭りの中心地となる御仮屋で行われる行宮祭(あんぐうさい)でこの本祭は執り行われますが、今年は本宮(愛宕八坂神社)での実施となりました。


<2017年の行宮祭の様子>


神社に祭り関係者が揃い午前9時を迎えたころ、本祭が始まりました。

厳かな空気が流れる中、社殿からは宮司が奏上する祝詞が静かに聞こえてきます。例年とは違う雰囲気で本祭が進められていきます。


神事の最後に、祭り関係者の玉串奉奠(たまぐしほうてん)が行われます。
玉串とは、神様が宿るといわれている「榊(さかき)」の枝に、紙垂や麻を結びつけたもの。これを一人ひとりの想いを乗せて、神様にお供えします。

祭り関係者や各町の代表者などそれぞれの想いを胸に、静かに祈りを捧げます。

祭りの盛り上がりを思い起こさせる奉納囃子


神事のあとは、年番町「荒川区」によるお囃子の奉納が行われました。


静かで情緒あふれる笛の音色が境内を包み、お囃子が始まります。


次いで太鼓が奏でられ、祭りの景色を思い起こさせるような力強い演奏が披露されます。


熊谷うちわ祭のお囃子の特徴の一つ、直径が30cm以上もある「鉦(かね)」も力強く叩かれ、「カーン!カーン!」と大きな鉦の音が境内に響き渡りました。


まるで熊谷うちわ祭の暑い夏の夜を想起させるようなお囃子。集まった関係者も思い思いにお囃子の演奏に耳を傾けていました。

お囃子の奉納が終わり、本祭の行事はひと通り終了。厳かで静かな熊谷うちわ祭の本祭は、静かに幕を閉じました。

来年につなげる!祭りにかける想い

行事のあと、年番町「荒川区」で大総代を務めている富田満さんにお話を伺いました。

-今年は、例年と違った空気の中行われる本祭でしたが、どのような想いで執り行われましたか?

今年は止むを得ず自粛という形になってしまい、本当に残念な気持ちになった方も多かったと思いますが、熊谷うちわ祭は疫病退散の祭りですので、今の世の中の状況にはとても適した祭りだと思います。
だからこそ、この本祭をしっかりと執り行い、来年の熊谷うちわ祭を実現させたい、そういった気持ちでこの本祭を執り行いました。

-荒川区のみなさんのお囃子はとても力強かったですね

やはり、付け祭りが自粛となってしまったことで「寂しい」という声が多く聞こえてきました。そこで「奉納囃子」という形で急遽お囃子の演奏を行うことにしたんです。お囃子を奏でてくれた皆さんもそれぞれお仕事がある中、急遽集まっていただき素晴らしいお囃子を披露してくれたおかげで、最後にお祭りらしく本祭を締められてよかったと思います。

-来年も引き続き年番町は荒川区ということで、令和3年の熊谷うちわ祭に向けた豊富をお聞かせください。

来年の祭りまで、1年間の時間もできたのでしっかりと準備して、よりパワーアップした形で熊谷うちわ祭を行いたいと思います。また、大総代を2年連続でやるのは戦後初のようで、私自身はそれも幸せなことだなと思っています(笑)。ぜひ期待してください!

-富田大総代、ありがとうございました!

新型コロナウイルスの影響で、止むを得ず自粛となってしまった熊谷うちわ祭。その祭りに関わる人々の想いや来年の開催に向けての意気込みに、とても胸が熱くなりました。
このエネルギーを形にして、令和3年は例年以上に“アツい”熊谷うちわ祭になることを期待しましょう!

※インタビュー取材協力:FMクマガヤ

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