埼玉の祭りを駆け回る「山車」って何?屋台・鉾の違いとは?各地域で姿形を変える山車の魅力を徹底解説!

祭りといえば、神輿やお囃子など様々な見どころがありますが、豪華絢爛な姿の山車は祭りの中でも一際目を引く存在ですよね。

埼玉県内でも山車が登場する祭りが数多く存在します。定番の豪華な山車から、少し変わった特徴的な山車、勢いに任せて曳くド迫力の山車など。今回は、埼玉ならではの山車祭りを特集します!

そもそも山車って?屋台・鉾の違いとは?

祭りで曳く山車。なぜ山と車という字で表現されるのでしょうか。

それは古くから、山や岩には依り代(よりしろ)として神が降臨するとされたことから、山そのものが信仰対象となっていたことに由来します。そのため、“山”の字で表現されると言われており、その“山”に車輪を付けて、曳きまわすものが「山車」となったようです。また、祭りに引き寄せる神の拠り所として、上に出した飾りの名である「出し」に由来するとも言われています。

さて、山車と一言にいっても、祭りによっては「屋台」「鉾」「曳山」など、呼び方は様々で、何が違うのか?と思いますよね。一般的には、祭りで曳き廻される物の総称が「山車」ですが、呼び方や定義は祭りごとに異なります。

例えば川越まつりで曳かれるのは「山車」、秩父夜祭や秩父川瀬祭など秩父の祭で曳かれるのは「屋台」と「笠鉾」と呼ばれます。

秩父では「屋台」は山車に歌舞伎屋台を仕組んだもの、「笠鉾」は山車の中心に柱を立て、3層の花笠や万燈をつけたものを指します。

祭りで山車が曳かれるのは、祭り本来の神事の「付け祭り」として行われることが多いようです。「付け祭り」とは、祭礼の余興として祭りを盛り上げるために行われるもの。地域を盛り上げたり、地場産業を広めたりする観点からも、こういった付け祭りが行われ、祭りが盛り上げられていったという話もあります。

それでは、埼玉県内で行われている山車祭りについて、定番のものからその地域でしかみられない特徴的なものまで紹介したいと思います!

全速力で山車が進む!「幸手夏祭り」

画像提供:幸手観光協会

毎年7月の第2〜第3週に行われる「幸手夏祭り」では、全部で7基の山車が曳かれます。各町の山車には多くの提灯がつけられ、夕方になると明かりを灯し、幻想的な姿を見せてくれます。

この幸手夏祭りで最も盛り上がるのが、最終日の日曜日、クライマックス行事である「花山」です。7基の山車が連なって曳き廻され、駅前ロータリーに扇型に集まります。駅前に入る時、それぞれの山車は、駅前に続く坂を全速力で駆け上がります!
合図とともに気合の入った掛け声とお囃子の音が最高潮に達し、山車の曳き手たちは全速力で山車を曳きます。巨大な山車が驚くほどのスピードで駆け抜ける姿は圧巻です。

まつり詳細
まつり名: 幸手夏祭り
開催日:  毎年7月第2日曜日〜第3日曜日
開催場所:  幸手市内中央通り
URL http://www.satte-k.com/event/natu/index.html

500個を超える提燈をつけた山車が高速回転!?久喜提燈祭り「天王様」

久喜提燈祭り「天王様」は、毎年7月12日から18日(山車の曳き廻しは12日と18日のみ)に行われる、旧久喜町の鎮守(ちんじゅ)である八雲神社の祭礼です。昼間は、神話などを題材とした人形を山車の上に飾り立て、人形山車として町内を曳き廻されます。

夜は、人形がはずされ、山車の四面に約500個の提燈を飾りつけた提燈山車に早変わりします。

12日と18日の両日、20時過ぎから駅前で行われる提燈山車集合では、各町の山車が高速で回転します!4トンを超える提燈山車が一斉に回転する様子に、あたりは熱気と歓喜に包まれます。県内随一の迫力を感じられる場面です。ぜひ現地でご覧になってみてくださいね!

まつり詳細
まつり名 :久喜提燈祭り「天王様」
開催日 :毎年7月12日〜18日
開催場所 :久喜駅西口駅前周辺地域
URL https://www.saitamatsuri.jp/matsuri/tennousama/

小江戸川越で20基を超える山車が曳き廻される!「川越まつり」

「川越まつり」は、川越氷川神社の秋の祭礼を根源とした370年近く続く祭り。小江戸川越の象徴でもある蔵造りの町並みを中心に、約8mを超える大きな山車が町を曳き廻されます。
2016年には、「川越氷川祭の山車行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録され、ますます注目の川越まつり。

最大で29基もの山車が小江戸川越の街を曳き廻される姿は、風情あふれる光景です。特に、川越の象徴である時の鐘とのコラボレーションが見られるのも、川越まつりならでは。

画像提供:川越まつり会館

川越まつりのほとんどの山車には回転台がついており、舞台から上の部分が回転できるため、狭い道路でも山車同士が向き合って、お囃子を競い合う「曳っかわせ」を行うことができます。

また、川越まつりの山車は8mを超す高さ。山車の上部がエレベーターのようになっていて、街中の電線の下をくぐるときは、人形を格納して進むこともあります。

タイミングによっては交差点で複数の山車が「曳っかわせ」を行うこともあり、迫力のある瞬間を目の当たりにすることができます!

様々な見所のある川越まつり。ぜひ足を運んでみてください。

まつり詳細
まつり名 川越まつり
開催日 毎年第3土曜、日曜
開催場所 川越市街中心部
URL https://www.saitamatsuri.jp/matsuri/kawagoe_matsuri/

日本三大曳山祭の一つ。ユネスコ無形文化遺産にも登録された「秩父夜祭」

秩父地方の師走名物である「秩父夜祭」は、京都祇園祭、飛騨高山祭と共に日本三大曳山祭の一つに数えられ、毎年、12月2日、3日に行われます。2016年には「秩父祭の屋台行事と神楽」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。

秩父夜祭で曳き廻されるのは、4基の屋台、2基の笠鉾。『動く陽明門(日光東照宮)』と言われるほど絢爛豪華な姿が特徴です。

この屋台・山車はそれぞれ12〜20トンもの重さがあると言われ、これらが方向転換する際の「ギリ回し」が見どころです。巨大な“てこ棒”を使って、屋台を傾ける様子はものすごい迫力。傾いた屋台はギシギシと軋む音を上げ、観客が息を飲みます。

3日のクライマックスでは急勾配の団子坂をこれらの屋台・笠鉾が曳き上げられます。冬の澄んだ空に打ち上げられる花火をバックに、大人数で山車を坂の上にある最終目的地「御旅所」まで引き上げる様は迫力があります。

まつり詳細
まつり名:秩父夜祭
開催日: 毎年12月2日、3日
開催場所 :秩父神社および秩父市街
URL https://www.saitamatsuri.jp/matsuri/chichibu_yomatsuri/

関東最大級のねぷたを誇る北本まつり「宵まつり」

毎年11月上旬の土曜日・日曜日に行われる北本まつり。土曜日の「宵まつり」では、約15台のねぷたが曳かれ、関東最大級のねぷたまつりと言われています。

北本市と姉妹都市の福島県の会津坂下町(あいずばんげまち)がねぷたを行なっており、それがきっかけで北本でもねぷたを行うようになりました。最初は2台ほどの小さな規模から始まりましたが、その後本場の弘前との交流も深まり、北本市民が結成したねぷた絵師会が弘前市の三浦呑龍(みうらどんりゅう)師からねぷたの絵を教わりながら、現在の宵まつりの規模に発展しました。

大小様々な彩り豊かなねぷたは、秋の夕闇の中でライトアップされ、見事な艶やかさで一見の価値があります。本場弘前の技術を学んで作られたねぷたを埼玉で見られるチャンスです。ぜひ現地に足を運んでみてください。

まつり詳細
まつり名 :北本まつり「宵まつり」
開催日 : 毎年11月上旬
開催場所 : 北本駅西口ロータリー、 西中央通り
URL https://www.saitamatsuri.jp/matsuri/kitamoto-matsuri/

いかがでしたか?
山車と一言にいっても、祭りによってその姿は様々。祭りごとの山車の違いを知って、それぞれの祭りを楽しんでみてはいかがでしょうか?