春の秩父路 女子ひとり旅 “秩父三大春祭り”って知ってますか?

一年を通じていたるところで祭りが行われている秩父。その数はなんと年間400以上といわれています。秩父の長い冬に別れを告げ、水ぬるむ季節を迎える頃、秩父各地で開催される春祭り。なかでも山田の春祭り、宇根の春まつり、小鹿野春まつりは“秩父三大春祭り”と呼ばれ、秩父路に春を告げる代表的な祭りです。

せっかく祭りに参加するなら、その周辺のおすすめスポットや歴史もあわせて楽しみたい! というわけで、今回ミス・ユニバースジャパン2018埼玉代表の岡嶋彩さんが予習を兼ねて早春の秩父路を訪ねました。

“秩父銘仙”に袖を通し、春めく祭りに想いをはせる

こんにちは、岡嶋彩です。少しずつ温かくなって、春の気配を感じるようになってきましたね。秩父ではこれから各地で春祭りが開催されるそうです。そこで今回、私はカメラを持って春祭りの舞台となる秩父地域を訪ねました。

まず最初に訪れたのは西武秩父駅から徒歩8分ほどの場所にある『ちちぶ銘仙館』。国指定の伝統的工芸品「秩父銘仙」の資料展示や機織体験などができる施設です。

秩父銘仙は大正から昭和初期にかけて大流行した織物。大胆で華やかなデザインで、当時のおしゃれ好きな女性たちの心をつかんだそうです。

本館の正面玄関。ノスタルジックな雰囲気で写真映えするスポットです。

館内には工程ごとに使用される様々な機械が展示されています。

手織り機を使った制作体験も。(コースター:1000円・所要時間約30分)

試着コーナーで実際に秩父銘仙に袖を通してみると心は大正時代にタイムスリップ! 当時のハイカラさん達も春になったら秩父銘仙でおしゃれして春祭りに出かけたのかも!?

カラフルで大胆なデザイン。羽織るだけでもテンションが上がりますね!

秩父銘仙ブローチ600円。こんな風にワンポイントに使うのもおしゃれでしょ?

館内には売店もあり、反物やストール、小物などたくさんのアイテムが売っていました。私が気に入ったのは秩父銘仙のブローチ。今日一日、このブローチと一緒に旅をします。

ちちぶ銘仙館
住所: 秩父市熊木町28-1
営業時間: 9~16時
休館日: 年末年始(12/29~1/3)休
入館料 :大人210円/中学生100円/小学生100円
URL: http://www.meisenkan.com

羊山公園から秩父の町並みを一望

次に向かったのは秩父の市街地を見渡せる絶景スポット。羊山公園にある見晴らしの丘です。皆さんはアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(あの花)って知っていますか? 見晴らしの丘は『あの花』のオープニングにも登場している場所なので、見覚えのある方もいるかもしれませんね。標高282.6mある高台からの眺めは壮観で、秩父盆地の先には両神山や奥秩父の山々が広がっています。
ここから見える町並みのどこかで今日も祭りが開催されているかも? なんて思ったら、それだけでワクワクしてきちゃいました。

気持ちの良い景色に思わずパシャリ。

「あの花」のオープニングシーンそのままの光景が撮れちゃった!

羊山公園 見晴らしの丘
住所: 秩父市熊木町41−1

ノスタルジックな番場通りでレトロさんぽ

次に目指すのはランチのできるカフェ。見晴らしの丘からのんびり20分ほど歩いて「番場通り」へ。大正〜昭和初期のレトロでモダンな建物が並ぶ商店街はとってもフォトジェニック。カメラ女子にはかかせないスポットなんです。私もついつい撮影に夢中になっちゃいました!

タバコ店や食堂、医院など、レトロな光景に思わずシャッターを切りたくなっちゃいます。

秩父名物・猪牛豚肉の味噌漬けで有名な昔ながらの精肉店「安田屋」で揚げたてメンチカツをGET。

SNS用の自撮り写真もパシャリ! 熱々メンチカツ、おいしかった!

カフェでランチタイム

番場通り周辺には昔ながらのレストランや個性豊かなカフェが点在。カフェ巡りが好きな私にとって魅力的なエリアです。今回立ち寄ったのは番場通りのほぼ中間地点にある「まほろバル」。カフェ&バルにイタリアン、レンタルスペースにゲストハウスなどが集まった施設の一角にあります。

インテリアもオシャレで居心地が良いカフェ。

今回ランチに選んだのは「武州豚の味噌そぼろ丼」。埼玉県産のブランド豚を秩父味噌で甘辛く仕上げたそぼろに、秩父の平飼い鶏の温泉卵をトッピングしたカフェごはん。秩父名産の漬物「しゃくし菜」の付け合わせもセットになっていて、秩父の味を堪能しました。
また、地ビールの秩父麦酒10種をはじめ、国内外のクラフトビールを揃えていて、昼飲みもOK! 今度来るときは、秩父麦酒の飲み比べもしてみたいなぁ。

埼玉&秩父の食材づくしの武州豚の味噌そぼろ丼(ソフトドリンクセット1100円)

カフェの店内にはさりげなく秩父銘仙が飾られていました。秩父の文化として今もしっかりと根付いているんですね。

アンティークの秩父銘仙。季節ごとに違った柄が楽しめるそう。

クラフトビールとコーヒーのお店 まほろバル
住所: 秩父市番場町17-14 秩父表参道Lab. 1F
営業時間: 日〜火11~21時、金・土11~22時
定休日 :水・木曜休
URL: http://www.chichibu-lab.jp/index.php/shop/mahollobar/

いち早く春の訪れを告げる“山田の春祭り”

まほろバルから秩父鉄道・秩父駅までは徒歩7〜8分。 “山田の春祭り”が開催される恒持神社までは駅からバスで12分ほどです。秩父の春祭りのなかで一番早く山車が出る祭りで、その歴史は300年以上。江戸時代後期から明治初年にかけて創建された2台の屋台と1台の笠鉾は荘厳で歴史的にも貴重で、見ごたえあり! 山田の春祭りで春を迎えるのもいいですね。

まつり詳細
まつり名 :山田の春祭り
開催日  :例年3月第2日曜
開催場所 : 恒持神社
URL : https://www.saitamatsuri.jp/matsuri/yamada_harumatsuri/

武甲山のお膝元・横瀬町へ

次は“宇根の春まつり”が開催される横瀬町へ。西武秩父駅から西武秩父線でひと駅の横瀬駅で下車します。横瀬町は秩父のシンボル・武甲山のお膝元。駅舎の背景には、武甲山が間近に迫っています。

木材を基調とした山小屋のような駅舎。

県内最大級の棚田に息を飲む

最初に向かったのは、前から行ってみたかった「寺坂棚田」。駅から歩いて20分ほどのところにあります。東京ドームより少し広い約5.2ヘクタール(田んぼは約4ヘクタール)の県内最大級の棚田です。4月の田おこしに始まり6月の田植え、夏の青々とした稲穂の波、秋には黄金色に輝く稲の刈り入れや朱に染まる彼岸花…とうつろう光景はこれぞニッポンの原風景。四季折々に楽しむことができる場所なんです。

大小300枚以上の田んぼ群と、その向こうに雄大な姿を見せる武甲山。

棚田に約600個のかがり火が点され、幻想的な光景が広がる「ホタルかがり火まつり(7月上旬)」や、田んぼのまんなかでの演奏会が行われる「寺坂棚田彼岸花まつり(9月下旬)」など、春まつりの時期以外でも楽しむことができます。

寺坂棚田
住所: 秩父郡横瀬町大字横瀬1896
公開時間: 見学自由
彼岸花の時期:(9月中旬~10月初旬)のみ環境整備協力金200円
URL: http://www.yokoze.org/shisetsu/terasaka_tanada/

観光客も参加できる“宇根の春まつり”

横瀬駅から南西に約1キロのところに“宇根の春まつり”の舞台となる宇根八阪神社があります。宇根八阪神社は、地元では「天王様(てんのうさま)」と呼ばれ、天思兼命・牛頭天王をお祀りしています。高さ3m、間口0.66m、奥行き1.2mという小さな社殿ですが、今から170年以上前の弘化3年(1846)に建立されたそうで、中国の寓話や三国志、鳥獣などを素材にした彫刻がとても見事です。

お社の美しい彫刻は横瀬町の指定有形文化財。

毎年4月第1日曜に行われる宇根の春まつりでは、横瀬町の有形民俗文化財に指定されている2基の笠鉾に乗り子として地元の子どもたちが乗り、地元の大人たちが曳き廻します。この祭りは一般の観光客も参加できるそうです。私も一緒に曳き廻しに参加してみたいなぁ。

まつり詳細
まつり名 :宇根の春まつり
開催日: 例年4月第1日曜
開催場所 :宇根八阪神社
URL: https://www.saitamatsuri.jp/matsuri/une-harumatsuri/

歌舞伎のまち・小鹿野町で宮沢賢治ゆかりの施設へ

最後は西武秩父駅または秩父鉄道秩父駅からバスで約45分、 “小鹿野春まつり”の舞台・小鹿野町へ。まずは町の中心部にある小鹿野町観光交流館に向かいます。この建物はかつて旅館として多くの観光客を受け入れていて、作家・宮沢賢治も宿泊したこともあるとか!? 現在は改修され、小鹿野町観光の拠点になっています。いわれてみれば、どことなく旅館の面影が残っていますよね。

老舗旅館の趣を残した建物。

館内には小鹿野町やその周辺の観光パンフレットが揃っていました。また、旅館に宿泊したという宮沢賢治についての資料が展示されていたり、手打ちうどんやそば、秩父名物のわらじカツ丼などが食べられる食事処も。小鹿野町の観光情報をリサーチしていると、近くにある小鹿野文化センターで春まつりに運行される笠鉾や歌舞伎舞台になる屋台の模型を展示していると教えてくれたので、さっそく行ってみることに。

小鹿野春祭りの情報もチェック!

小鹿野町観光交流館
住所: 秩父郡小鹿野町小鹿野314
営業時間: 10~21時(食事処は11~15時、17~21時)
定休日 :月曜休 (祝日の場合は翌日)
URL: https://www.town.ogano.lg.jp/kanko-bunka-sports/kanko/ogano-kanko-kouryukan/

小鹿野文化センターで“小さな春まつり”に出合う

小鹿野文化センターは観光交流館から歩いて5分ほど。2階の「小鹿野歌舞伎さろん」に春まつりで運行される屋台や笠鉾の模型が展示されていました。10分の1に縮小した模型は小さいながらも精巧に作られていて、眼を見張るものがあります。小鹿野歌舞伎の映像やお囃子の音声も流れていて、春まつりがぐっと身近に感じられました。

本物と同じ素材を使い、精巧に作られた笠鉾の模型。

細かいディティールまでしっかりと再現。

小鹿野文化センター2階 小鹿野歌舞伎さろん
住所: 秩父郡小鹿野町小鹿野167-1
営業時間 :9時30分~16時30分
定休日 :12/29〜1/3休
URL: http://www.kanko-ogano.jp/archives/10191/

小鹿野の鎮守さま・小鹿神社にご挨拶

次に立ち寄るのは“小鹿野春まつり”の舞台となる小鹿神社。その歴史は古く、本殿は安永4年(1775年)に建てられたもの。春まつりでは、この本殿とかつて本殿があった元宮の間を絢爛豪華な屋台や笠鉾が行き来するそうです。

また今回は立ち寄りませんでしたが、神社の奥には数十頭の鹿が飼育されている入場無料の「鹿公園」があり、50円でえさやりもできるそうです。時間があればぜひ立ち寄ってみてくださいね。

240年以上の歴史ある本社殿。

厳かな空気に包まれ、心静かに参拝。

老舗菓子店でおみやげ探し

小鹿野で最後に立ち寄ったのは「八宮松雪堂」。創業は大正13年、現在は3代目が切り盛りする老舗菓子店です。看板商品「小鹿野こいし」は40年ほど前に2代目店主が開発したオリジナルの和洋菓子。小鹿野みやげの代表として人気のロングセラーです。
さっそく購入して店頭でパクリ。山芋を加えて焼き上げた甘さ控えめの生地の間にはマーガリンがサンド。生地のモチっとした食感と、頬張った時にふんわり香るマーガリンの風味が和洋折衷で美味しい! お茶請けにも合いそうですね。

ちなみに商品名の「こいし」には小鹿野に流れる赤平川の「小石」と、小鹿野を離れてもふるさとを「恋しく」想う気持ちの2つの意味が込められているそうです。

小鹿野さんぽのお供にちょうど良いサイズ。

おみやげ用小鹿野こいし10個セット(箱入り1376円)〜

実はここでサプライズがありました! 春祭りをテーマに秩父を巡っていることを知った三代目のご主人が、なんと小鹿野春まつりで実際に着用する祭り半纏を着させてくれました。背中の「春」の文字は、この界隈の町名「春日町」から。春らしい配色の粋な半纏に袖を通したら、いよいよ春まつりが待ち遠しくなっちゃいました。

せっかくだからと羽織らせていただいた半纏、似合ってますか?

八宮松雪堂
住所: 秩父郡小鹿野町小鹿野1882
営業時間: 9~18時
定休日: 水曜休 ※月1回連休あり
URL: https://oganokoishi.jp

4台の屋台・笠鉾と屋台歌舞伎が盛り上げる“小鹿野春まつり”

一年を通してたくさんの祭りが開催される秩父地方の中でも、特に祭りに熱心な小鹿野町。なかでも最も賑やかなのが毎年4月第3土曜とその前日に行われる“小鹿野春まつり”です。小鹿神社の例大祭として江戸初期にはすでに催されていたそうで、秩父地方で一番高い笠鉾と屋台が町のメイン通りを往復する様は壮観! また、この町の名物であり、春まつり1日目に上演される“小鹿野歌舞伎” をはじめ、流鏑馬やお神楽など見どころいっぱいです。

まつり詳細
まつり名 :小鹿野春まつり
開催日: 例年4月第3土曜とその前日
開催場所 :小鹿神社〜小鹿神社元宮(旧本殿)
URL: https://www.saitamatsuri.jp/matsuri/ogano_harumatsuri/

いかがでしたか? 今回は秩父の三大春祭りをテーマに秩父路を巡りました。春祭りは3月上旬から各地でスタート。ぜひ皆さんも春を感じに秩父を訪れて、グルメや名所も一緒に楽しんでくださいね。