熊谷うちわ祭レポート

熊谷の街に「お囃子」が鳴り響くアツい3日間!「熊谷うちわ祭」レポート

熊谷の八坂神社の例大祭である「熊谷うちわ祭り」は「関東一の祗園祭」と呼ばれ、毎年7月20日〜22日の3日間に70万人以上の人が訪れる大きな祭りです。「さいたまつり」では、この「熊谷うちわ祭り」に3日間密着。ぜひ「熊谷うちわ祭」の魅力を感じてみてくださいね!

【1日目】3時間半にも及ぶ神輿渡御からスタート!夜の「初叩き合い」で熊谷駅前が熱気に包まれる!

「熊谷うちわ祭」はなんと朝6時から八坂神社にて行われる「渡御発興祭(とぎょはつよさい)」から始まります。八坂神社から神輿を担ぎ、熊谷の街を巡行し、神輿を安置する「御仮屋(おかりや)」までを目指す行事です。

朝一番から、祭関係者が八坂神社に集まります。

 

拝殿※1に安置された神輿。

 

宮司による祝詞奏上(のりとそうじょう)※2
八坂神社で神事を終えたら、いよいよ神輿渡御のスタート!「渡御祭」と呼ばれるこの行事は、重さ約1tの神輿を全行程約10km、約3時間半かけて、熊谷の旧市街地8か町を巡行します。100名を超える担ぎ手が、代わる代わる神輿を担いでいきます。

 

そして、いよいよ担ぎ出し!「せいや!せいや!」と担ぎ手の迫力みなぎる掛け声に圧倒されます!ちなみに、この日も、30度を超える猛暑日…。その暑さに負けず声を張る姿は見事です。

 

神輿巡行の途中、「途上奉幣祭(とじょうほうへいざい)」と呼ばれる神事が行われます。これは、祭りの安全を祈願するもの。

 

担ぎ手たちも、この時ばかりはしばし休憩。

最後に、神輿が向かうのは、祭り広場に設置された「御仮屋」。祭り期間中にここから神様が祭りを見届けます。

 

神輿を安置する御仮屋。

 

御仮屋前に到着した神輿。担ぎ手たちが最後の力を振り絞り、神輿を高く持ち上げます!ものすごい迫力!

 

到着した神輿を安置し「渡御着興祭(とぎょちゃくよさい)」を執り行い、初日午前中の行事が終了します。

 

祭り期間中、御仮屋では「熊谷うちわ祭」の“うちわ”が配布されます。その昔、赤飯を振舞っていたものを、うちわに変えたことで「熊谷うちわ祭」と呼ばれるようなりました。その名残が感じられますね。

 

御仮屋の背後には、「祇園柱※4」が設置。白木棉※5が静かに風に揺れています。

18時30分から熊谷駅周辺に交通規制が敷かれ、「初叩き合い」を迎えます。「初叩き合い」は熊谷駅北口の駅前広場に各町の山車・屋台が集結し、お囃子を叩き合い迫力の行事。「熊谷うちわ祭」最初の見どころです!

 

夕暮れを迎える頃、各町の山車・屋台が熊谷駅に向けて動き出します。

 

どの山車・屋台の「お囃子」も力強い演奏!勇壮な姿で熊谷駅を目指します。

 

山車・屋台の前では、各町の纏(まとい)が振られ、次々と駅前ロータリーに山車・屋台が集結してきます。

 

熊谷駅を背に、全町の山車・屋台が一列に並ぶ姿は圧巻!力強いお囃子が、熊谷駅前に鳴り響き、白熱した空気が熊谷駅前を包みました!

こうして、「熊谷うちわ祭」の初日は終了。まだ、初日だというのに、早くも祭りは最高潮を迎えたようでした。

【2日目】山車・屋台のお披露目会の「巡行祭」!そして、扇型に並ぶ山車が見事な「巡行叩き合い」

「熊谷うちわ祭」2日目は、13時に歩行者天国となった国道17号で行われる「巡行祭」からスタートします。「巡行祭」は山車・屋台のお披露目会ともいうべき行事。各町の山車・屋台をゆっくり観るのはこのタイミングがベスト。お囃子を叩きながら、堂々と巡行する山車・屋台の姿をじっくりと堪能しましょう!

 

八木橋デパート前に、2か町を除く10か町の山車・屋台が集結。まずは、神事が執り行われます。

 

その後、宮司・役員等を先頭に各町の山車・屋台、国道17号を西に巡行します。途中で残りの2か町と合流し、全12か町で祭り広場の御仮屋を目指します。

 

勇壮な姿で巡行する山車・屋台。提灯に灯を灯した姿も綺麗ですが、昼間はまた違った勇ましさを感じますね!

 

先頭をゆく宮司・役員の皆さん。

 

御仮屋にお宮参りするために集結した各町の山車・屋台。整列し、高らかにお囃子を演奏します。ここから、1町ずつ御仮屋に向かいます。

 

御仮屋で一町ずつ神前に進み、幣束(へいそく)を授与された後、国道17号を東へ巡行します。

 

その後「巡行祭」は、3の挨拶をもって終了となります。

 

ここで、2日目の行事は一旦休憩。夜の「巡行叩き合い」に備えます。

夕暮れになると、停留していた全町の山車・屋台が動き始めます。初日は熊谷駅に集結しましたが、2日目は八木橋デパートの前に集結をします。

 

すっかり日が落ちたところに、提灯に灯をともした山車・屋台が集まり始めました。各町、お囃子を鳴り響かせ、堂々と八木橋デパートの前に姿を現します!

 

「熊谷うちわ祭り」で演奏されるお囃子。特徴の一つに鉦(かね)の大きさがあります。「カン!カン!」と耳に刺さるような大きな音色は圧倒的な存在感。この鉦の音がいくつも鳴り響く会場は、熱気と迫力に包まれています。

 

全ての山車・屋台が集結!扇型に並び、盛大な叩き合いが行われます。

 

昼の山車・屋台の巡行をじっくり堪能した後は、迫力の「巡行叩き合い」。

山車・屋台を存分に堪能できる2日目でした!

【3日目】「熊谷うちわ祭」最高潮の瞬間を迎える「曳っ合せ叩き合い(ひっかわせたたきあい)」が圧巻!

「熊谷うちわ祭」の最終日は、9時から行われる「行宮祭(あんぐうさい)」からスタートします。この日の夜には、「熊谷うちわ祭」の中でも最高潮の盛り上がりとなる「曳っ合せ叩き合い(ひっかわせたたきあい)」が行われ、その後、「年番送り」「還御祭(かんぎょさい)」の順に、徐々に静けさを取り戻すよう、行事が進んでいきます。

 

最終日、朝の9時から御仮屋前で、静かに「行宮祭」が始まります。

「行宮祭」で特徴的なのは、年番町の大総代 が神官の浄衣をまとい、自ら祝詞を奏上し、神の加護を祈願します。

 

各役員が祈願 を行った後、「熊谷うちわ祭」はクライマックスに向けて動き出します!

 

夕方になり、祭広場には舞台が設置されます。いよいよ「熊谷うちわ祭」のクライマックスが近づいてきました。

 


日も完全に落ちきった、20時頃、年番町大総代が舞台に上がり、それぞれ観衆に挨拶。ついに「曳っ合せ叩き合い」がスタートします!

祭り会場の中心である祭広場には東西南北それぞれから各町の山車・屋台が続々と入ってきます。すでに人でごった返しているところに、さらに山車・屋台が入ることで、会場の熱気がさらに増していきます!

 


祭会場に向かう山車・屋台。演奏されるお囃子も、最後を惜しむかのように、激しく叩き鳴らされます。

 


各町の山車・屋台が集まり、纏が振られます。

 

そして、全ての山車・屋台が集結したところで、「年番送り」が執り行われます。「年番送り」はその年の代表になる年番長を来年度の町へと引き継ぐ儀式。
今年の大総代による口上の後、「年番札」が送り渡されます。
多くの観客に見守られながら、独特な動きで「年番札」渡す姿は、注目の瞬間です!

 


「年番札をしかと受け取った!」と言わんばかりの、堂々とした姿に観客の目が釘付けです !

 

その後、最後の叩き合いが行われたのち、「熊谷うちわ祭」最高潮の瞬間は終わりを迎えます。

 

多くの観客が会場を後にした23時30分頃。再び祭広場に祭関係者が集まり始めます。ここから「熊谷うちわ祭」最後の行事へと移ります。御仮屋から、八坂神社の本宮まで、神輿を返す「還御祭」が執り行われます。

御仮屋前で祝詞を奉上。神輿を担ぎ出します。

 

時刻は24:00を回ろうとしていますが、担ぎ手たちの掛け声は、迫力ある大きな声!

 

静かになった熊谷の街を、担ぎ手の掛け声とともに、神輿が巡行していきます。

 


時刻は深夜2時00近く。ついに八坂神社に神輿が戻ってきました。
担ぎ手たちは最後の力を振り絞って、声高らかに掛け声をかけています!

 


八坂神社前では、神輿が何度も行き来する場面が!担ぎ手のボルテージは最高潮に達しています!

 


その後、神輿を拝殿前に納め、最後の神事を執り行い、「熊谷うちわ祭」の全ての行事が終了しました。

「関東一の祇園祭」と言われる「熊谷うちわ祭」。
圧倒的な迫力を見せつける“動”の場面と、厳かに執り行われる“静”の場面。それらの強弱が、観るものを飽きさせない祭りでした。
全国的にも暑い熊谷の街で、3時間半も神輿を担ぎ続けたり、炎天下の中を巡行していく、といった行事を貫くことは並大抵のことではありません。

町衆自らが作った祭りに誇りを持って、今でも熊谷市民がその
祭りを守り続けよう、と取り組んでいるからこその「関東一の祗園祭」なのだと思います。

取材:2017年7月20日~22日

 

《注釈》
※1:拝殿=神社で、拝むために本殿の前に建てた建物
※2:祝詞奏上(のりとそうじょう)=神事の際、神前で読み上げる言葉
※3:年番町大総代=その年の祭りを取り仕切る町の代表者
※4:祇園柱 =祇園祭の御仮屋で設置される、神霊の憑依物となる柱
※5:白木棉 =祇園柱に巻かれる布

 

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