久喜提燈祭り「天王様」インタビュー

祭りの“中の人”がオススメする!久喜提燈祭りの隠れた魅力とは?

久喜提燈祭り「天王様」各町の若手の皆さん

230余年の歴史を誇る「久喜提燈祭り」。豪華絢爛な人形山車の連動※1や約500個の提灯を飾りつけた提燈山車のぶつかり合いなど見どころあふれる祭りですが、一般に知られている以外にも多くの魅力があります。

今回は、祭りに関わる7町(本壱、本二、本三、仲町、新一、新二、東一)の若手メンバーから、それぞれの視点で「久喜提燈祭り」の魅力を語っていただきました!

各町自慢!自分の町内のこだわりは?

本日はよろしくお願いします。まずは「自分の町内はここがすごい!」という、それぞれの町内のこだわりを教えていただけますか?

 

本壱の永田さん。本壱の全体の補佐を行なっている

本壱は何と言っても昼の人形山車が特徴ですね。最後の江戸人形師と呼ばれる「古川長延(ふるかわちょうえん)」が製作した人形を乗せているんです。人形はスサノヲノミコトで、疫病退散の神様でもあることから、この祭りの本来の意味合いにとても近い人形でもあります。

 

本二の渡沼さん。お囃子のまとめ役を担っており、子どもたちにお囃子を教えている。当日は山車のブレーキ役※2を担当

本二は今年、山車の装飾品を修復したばかりで、見応えがアップしています。塗装を塗り直したり、人形のヒゲを手入れしたり…。12年がかりの修復を終えた山車の装飾のきらびやかさを昼の明るいうちに見てほしいですね!

 

本三の鈴木さん。全町内若者会の副会長をつとめ、当日はトンボ※3の誘導を行う

本三は、全町の中で唯一女性である「神功皇后(しんぐうこうごう)」の人形を乗せています。ひと目見れば他の町の人形とは違う!とわかると思うので、女性の人形が乗っていたら、本三の山車だな、と思ってください(笑)。

神功皇后の山車の様子

 

仲町の出井(いでい)さん。祭り全般の補佐をしており、全町内若者会の会計も務める

仲町の山車はとにかく速い!山車自体がとても軽く作られているので、山車が回転するときや走るときは、他の町とスピードが全然違うと感じますよ。

 

新一の木村さん。山車の運行部長を務め、当日はブレーキ役も担う

駅前のロータリーで山車をぶつけ合うところには特に力が入りますね。新一と新二がライバルのようになっているのですが、それぞれこの場面を盛り上げる想いがとても強いので、熱気も最高潮に達します。ぜひ見てほしいですね!

 

新二の倉持さん。全町内若者会の役員であり、当日はトンボの役割をつとめる

21時過ぎ、駅前ロータリーの提燈山車集合が終わった後、4町(新一、新二、仲町、東一)の山車が向き合う四つ角に一番力を入れてますね!狭い交差点で各町の山車がせめぎ合うので、観客との距離感も近く、現場の熱量がものすごく高まります。駅前の見どころが終わった後の、隠れた注目ポイントですね。

 

東一の新藤さん。トンボ長※4をつとめる

東一は何といっても「向上心」がズバ抜けていると思います。というのは、東一が本格的に久喜提燈祭りに参加したのは5、6年前。山車の人形がない状態から始めて、毎年徐々に進化しているんです。まだまだわからないことが多くある中で、若い意見をどんどん取り入れて、立派になっていく東一に注目してください!

 

祭りに深く関わっているからこそ知っている、隠れた魅力とは?

それぞれの町内で本当に様々な特徴があるんですね!祭りへの興味が一気に湧き立ちました!それでは、次は祭りに関わるみなさんだからこそ知っている、久喜提燈祭りの隠れた魅力を教えていただけますでしょうか?

 

山車の組替はぜひ見て欲しいですね。17時から17時半頃、各町の神酒所(みきしょ)※5で、人形山車から提燈山車に組み替えるんですが、限られた時間で行わないといけないので、とても緊張感のある様子を見ることができます。

夜の提燈山車の町内まわりが見どころです。駅前まで山車を見に行くことができない町内の方に向けて、狭い場所でも山車の回転などのパフォーマンスを行ったりしているのは意外と知られていないかもしれませんね。

久喜提燈祭りは山車の方向転換がものすごい迫力ですよ!何せ、特別な道具を使わず、みんなで山車をグッと持ち上げて、一気に回転させるんです。そんな瞬間を見ることができます。他の祭りでは決して見られません。

力づくで山車を回転させる

 

派手なパフォーマンスが注目されがちですが、16時半から御仮屋※6で行われる「御神燈拝領式(ごしんとうはいりょうしき)」は、お祓いを受けた火を各町が授かる神事です。各町は持ち帰ったその火で、山車につける提灯の火を灯すんです。そういうストーリーを知っておくと、祭りがもっと楽しくなるかもしれませんね。

12日、18日以外は山車は出ないのですが、その代わり各町の神酒所には山車に乗っている人形が飾られています。人形は普段は山車の上にありますが、この時だけは、同じ目線でじっくりと人形を見ることができるんです。

神酒所に飾られた人形

 

実は、昼間の山車は祭り関係者でなくても、誰でも曳くことができるんです!山車から延びた縄であれば、子どもでも観光客でも曳くことができます。ぜひ一緒に山車を曳いてほしいですね。

久喜提燈祭りの提灯は、電灯などは使わず、本物のロウソクで火を灯しています。当然ながら、山車を回転させたりぶつけ合ったりしていれば、火が揺らいで提灯が燃えることもあります。そんな燃えている提灯を消し止めているのは貴重な瞬間かもしれないですね。

祭りにかける想いを披露!今年の意気込みは?

みなさん、思いも寄らない魅力が次々と出てきて、本当に興味深いお話ばかりでした。それでは最後に、今年の祭りにかける意気込みを伺えますでしょうか?新藤さんからどうぞ!

 


とにかく「笑顔」を大事にしたいですね。東一は祭り歴が浅いので、毎回わからないことだらけで特別な緊張感がある気がします。終わった後は本当に腰が抜けるほど、安心しますからね(笑)。「笑顔」を忘れず、やっていきたいです。


僕も「たのしい祭り」にすることですね。そもそもやっている僕たちが楽しんでなければ、見に来てくれた皆さんも楽しめないと思うんです。だから心の底からとことん楽しむ!それだけですね!


祭りを盛り上げまくりますよ!観客の皆さんに感動してもらいたい。そして、「また来たい!」って言ってもらいたいんです。12日に楽しんだら、18日は別の人を連れてまた来ようって思われるのが理想ですね。


僕は「怪我のない」祭りにしたいと思います。久喜提燈祭りは“喧嘩祭り”なんて言われますが、安全にはとにかく気を使っています。安全を確保した上で、しっかりと暴れる(笑)。そして怪我がないように終わらせることですね。


「一生懸命」です!というのは、本二は今年「トンボの誘導」が僕一人しかいないんです…。朝から晩まで本当に一人。だから倒れないようにしないと(笑)!


「協調精神」を大事にしていきたいです。私は、お囃子の取りまとめをやっているのですが、子どもたちには良い演奏をするために相手のことを考えながら協調性を持ってやるように、という話をしています。山車はとても重いので、みんなの力がしっかり合わないと、安全に進めません。なので、「協調」を大切にしていきたいと思っています。

実は7月15日に「上清久の天王様」という祭りもあって、本壱、本二はここでも提燈山車を出すんです。薄暗い中で提燈山車を見ることができるので、インスタ映えを狙うならここがオススメです(笑)。久喜提燈祭りと合わせて合計3回も提燈山車が見られるので、ぜひ足を運んでみてください。

 

皆さん、それぞれユニークな、そして貴重なお話をいただきありがとうございました!

 

長年祭りに関わってきた皆さんだからこそ見えてきた久喜提燈祭りの魅力。そこにはそれぞれの熱い想いが込められており、お話いただいた場面を現地で見てみたい!という気持ちが湧いて来ましたね。

久喜提燈祭りの代表的な見どころからマニアックなポイント・・・。そして何よりも、この男前たちに会いに来ませんか!?

 

《注釈》
1、山車の連動:山車が連なって進行すること
2、ブレーキ役:鉄のストップ板などを使って山車をコントロールする役(ブレーキのかけ方は町によって異なる)
3、トンボ:山車を操舵する「かじ棒」。久喜のトンボは前後にスライドが可能となっており、日本各地にある山車の中で唯一の機能である。
4、トンボ長:かじ棒を仕切る長。
5、神酒所:神輿がそれぞれの地域で休憩する場所をいう。
6、御仮屋:祭りの期間中、お神輿が止まる場所

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