「花山」常勝の仲町の若頭が語る!優勝へのこだわりと想い
幸手夏祭りインタビュー

「花山」常勝の仲町の若頭が語る!優勝へのこだわりと想い

仲町若頭

宮杉憲佳さん

毎年7月に行われる「幸手夏祭り」では、最大の見どころとして「花山(はなやま)」があります。「花山」とは幸手駅前の通りを、7つの町内の山車が全速力で駆け抜けながら、その途中でパフォーマンスを披露し競い合うコンテスト。このコンテストで優勝の常連となっているのが仲町です。
毎年圧倒的なパフォーマンスと連携を見せる仲町が、どのように「花山」に臨んでいるのか。今回、さいたまつりでは、若頭の宮杉さんにお話を伺いました。

「花山」優勝の秘訣とは?

ー本日はよろしくお願いします!宮杉さんは現在仲町の若頭、という役割かと思いますが、いつ頃から幸手夏祭りに関わるようになって、今の若頭になられたんでしょうか?

 

宮杉さん 5年前からですね。祭り自体は子どもの頃からです。「こども神輿」を担いだり、山車を引くのを手伝ったりしてずっと関わり続けています。そんなこともあってか、5年前から仲町の若頭をやらせてもらっています。

ー若頭はどんな役割を担っているんでしょうか?

宮杉さん 基本的には山車の運行責任者ですね。様々な役割を持つメンバーをまとめるほか、花山でのあたらしい取り組みやその他イベントの企画などもやります。要は、オールマイティに何でもですね(笑)。

ー山車の運行責任者からイベント企画までも…!?すごい!そんな宮杉さんが若頭になってから、仲町はどのくらい花山で優勝をしているのでしょう?

宮杉さん 自分が初めて若頭になった年以外は全て優勝してますね。

ーとなると、4年連続で優勝しているんですね!素晴らしい!どんなところに工夫して、これまで優勝を勝ち取っているんでしょうか?

宮杉さん とにかく綿密にシミュレーションして、練習を重ね、本番直前まで動きを入念にチェックをしていますね。その細かさは、他の町内には負けない自信があります。

ーシミュレーションや練習はどのように行なっているのでしょう。

 

宮杉さん どこの場所でどういった魅せ方をするか、というのを細かく決めています。どこまで走ったら山車を持ち上げるか。持ち上げたらどの方向に回すか。回した後は、誰がどの位置につくのか。それらを何度も何度もシミュレーションして、メンバー全員の意識統一を図ります。

ー大変ですね…なぜ、そこまでこだわっているんですか?

宮杉さん はい。それはもちろん、安全対策のためです。なにせ、山車を一気に走らせたりするので、祭りの関係者も観客の皆さんも、絶対に安全でないといけません。そこは最優先で取り組んでいます。

ーなるほど。でも祭りの開催前に、事前に山車を曳いて練習をする、というのは難しいですよね?

宮杉さん そうなんです。なので、当日まではとにかくシミュレーションをして、現地調査をして、この場所で止めてこう回転して…という細かいことを何度も検証しています。

実際に山車を曳けるのは祭り期間の土曜日、花山当日の日曜日、の2日間だけなので、土曜日は街を巡行しながら、随所随所で山車の回し方や走り方などを実践して練習しています。

ー本番直前のギリギリまで練習を行なっているんですね。

 

ライバルもどんどん成長している花山

ーそんな隠れた努力から連覇を成し遂げている仲町さんですが、注目している他の町内はありますか?

 

宮杉さん そうですね、最近はほとんどの町内が花山に本気になってきていて、花山で“いかに魅せるか”を考えてくるようになりました。特に、荒宿(あらじゅく)さんあたりは、わかりやすくインパクトのあるパフォーマンスをやるようになってきましたね。完全に優勝を狙いにきている感じがします(笑)。

ー各町内がどんどんとレベルをあげると、花山がより一層見ごたえのあるものになりそうですね!ちなみに、町内によって山車の形や大きさが異なると思うのですが、披露するパフォーマンスにも違いがあるのでしょうか?

宮杉さん 確かに大きさも重さも異なるので、パフォーマンスは様々です。そのため、それぞれの町内に強みがあるので、それを存分に活かせばどの町内が優勝してもおかしくはないです。

ーなるほど。

宮杉さん うちの町内では、オーソドックスに基本をしっかりおさえつつやりつつ、魅せるところは魅せるようにしています。当日は桟敷席に審査員席が設けられるのですが、そこでバシッと魅せるパフォーマンスを仕組んでいるのは仲町だけかもしれません。ただ、仲町の山車はそれほど構造上強度が強い方ではないので、トンボ(舵を切る棒)で力づくで方向転換をしたり、ロータリーでドリフトをさせたり、というパフォーマンスはできないんです。

ード、ドリフト!そんなことできる町内もあるんですね!

宮杉さん はい。そうなんです(笑)。助町さんは後ろに伸びたトンボで舵を切れるからドリフトができますし、そのほか、北町さんは若手が仲町の倍近くいるし、荒宿さんはパフォーマンスを練るようになってきている。久喜町さんはもっとも大きい山車でダイナミックなパフォーマンスができます。

天神町も若い人が多く、綱で山車を引くのはこの町内だけなので、そのスピードで他を圧倒できます。東町はとてもベテランが多いので、技術面に長けたパフォーマンスができる。

どの町内も、本当に特徴的で強みがありますよ。

ー確かに各町内、それぞれスゴイ特徴を持っているんですね。そしてなによりも、完璧に他の町内のことも把握している宮杉さんがスゴイ(笑)。

 

常勝のプレッシャーと戦う苦悩

ー毎年優勝をしている町内だからこその苦悩はありますか?

 

 

宮杉さん やはりプレッシャーとの戦いですよ。

ープレッシャーですか。

宮杉さん 仲町は連覇をしているからこそ、「毎年優勝しているし」「仲町さんは優勝しすぎてるから」と、周りから思われることから祭りが始まるんです。そんなスタートだからこそ、毎年同じパフォーマンスをしていても、絶対に優勝できないことはわかっているんです。毎年「今年はどんなことをしてみんなを驚かせようか」ということを必死に考えています。

ーなるほど…連覇を目指す立場として厳しい状況から始まるんですね。

宮杉さん そのプレッシャーを乗り越えて、圧倒的なパフォーマンスで会場を沸かせるんです。そして、文句なく花山の優勝をする。それが仲町が取り組んでいるスタイルです。

ー毎年、どんなパフォーマンスを考えているのでしょう?

宮杉さん 例えば昨年の花山では、祭りの最前線を引退した人たちや、祭りの時に食事をお世話してくれる女性の皆さんにお揃いの服を着てもらって、花道を作るパフォーマンスをしました。若手だけでなく、みんなで花山を盛り上げました。

山車を操ってパフォーマンスをするだけが花山じゃない。そういう常識から一歩先を行った魅せ方を仲町はしています。

仲間と祭りを作り上げられる喜び

ー宮杉さんが幸手夏祭りでの一番好きなところはどこですか?

宮杉さん 仲間たちと一緒に祭りを楽しめることですね。部活みたいなものですよ!

僕自身、若頭は“やらせてもらっている”立場で、決して自分一人でできることではないんです。仲間と一緒に思いっきり祭りに取り組んで、パッと飲む!それが本当に楽しいですね。

仲町は一年中メンバーと繋がっていて、月に一回は飲むようにしているので、ずっと祭りみたいなものですよ(笑)。

ーそんな仲間たちとの、印象に残っているエピソードはありますか?

宮杉さん うーん、たくさんありますが、私が若頭になる前の話。仲間のお母さんが、祭りの前日に倒れてしまい…本人が参加できなくなってしまったんです。そして、迎えた当日。いよいようちの山車が走るぞ!というタイミングで、参加できないはずの彼が突然現れて、花山に加わったんです。全速力で駆け寄ってくる彼の姿を見て、全員で涙を流しながら花山に挑みましたね。

 

 

ーそんなエピソードがあったんですね…ちなみに結果は?

宮杉さん もちろん優勝です。本当に一年中付き合っている仲間たちですから。一緒に優勝したいという想いはどこよりも強いです。だからこそ、その年の優勝も勝ち取れたんです。

ーめちゃ泣きそうです(涙…)

花山だけじゃない!幸手夏祭りのここに注目してほしい!

ー花山以外にも幸手夏祭りには見どころがあると思いますが、宮杉さんがオススメするポイントを教えていただけますか?

宮杉さん メインイベントの花山はもちろん、街を巡行している時の山車も注目です。幸手夏祭りの山車は、とにかく観客のみなさんとの距離感が近い!にもかかわらず、走ったりもするんですから(笑)。目の前でその迫力を感じられるのは幸手ならではと思います。

ー確かに!

宮杉さん あとは初日(日曜日)に担がれる神輿も注目です。

鷲宮の千貫神輿(関東最大級の神輿、重さ3トンと言われている)と同じくらい巨大な宮神輿が担がれるんです。丸一日かけて、各町内を回る。苦行かっ!っていうくらい本当に大変ですよ(笑)。でも、この時は各町の代表者が集まって担いでるので見どころですね。山車に注目されがちの幸手夏祭りのもう一つの魅力かもしれませんね。

 

 

ーなるほど。真夏の猛暑の中、丸一日神輿を担ぐのはハードですね…。それでは、最後に今年の意気込みをお聞かせください!

宮杉さん 「今年も優勝を勝ち取ります!」ですね!

優勝するのは当たり前。他の町内がやっていないことに率先してチャレンジして、祭りを盛り上げていきたいと思ってます!

ー当日の勇姿が今から楽しみです!本日はありがとうございました!

 

何度となく花山で優勝を勝ち取ってきた仲町。その背景には、緻密な練習の積み重ねと祭りや仲間に対するアツい想いがありました。花山コンテストにかけるそれぞれのアツい想いが、幸手夏祭りそのものを盛り上げているのだと感じました。

迫力満点の幸手夏祭り。ぜひ、現地に足を運んで、皆さんの熱気を浴びてみてください!

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