龍勢祭レポート

【密着レポート第四弾】積み重ねた想いを天空へ!龍勢に全てをかけた男たちの裏側とは

さいたまつりでは、2018年の「龍勢祭」について、20を超える流派の一つ「美峯雲流(びほううんりゅう)」に密着。最終回の今回はいよいよ祭り当日の様子をお届けします。

 

いよいよ本番!緊張の中、次々と打ち上げられる龍勢

当日の朝はあいにくの雨。しかしながら、龍勢祭は風の影響が大きくなければ打ち上げを行うため、決行が決まり、現地では着々と準備が進められました。


朝一番の神事。椋神社と龍勢の打ち上げ場所を神輿が往復します。

龍勢の打ち上げスタートはとても早く、最初の打ち上げは8:40からスタートです!

龍勢作りの過程から密着してきた流派「美峯雲流」の打ち上げ順は10番目。10時55分からの打ち上げです。

 

降っていた雨もやみ、青空が少しずつ見え始めたころ、次々と龍勢が打ち上がっていきます。轟音とともに龍勢が打ち上がり、その度に会場がわきあがります!

 


歓声が上がる会場の桟敷席は大勢の観客で埋め尽くされています。

 


椋神社前には、打ち上げ前に口上(こうじょう)※1が読み上げられる櫓(やぐら)もあります。

天候の移り変わりが激しい中、次々と龍勢が打ち上げられます。

 


午後の晴れ渡った空に、まっすぐに上り詰める見事な龍勢。

 


打ち上がることなく、櫓に中で筒が爆発してしまうもの(つっぱね)も。同じ龍勢でも打ち上がり方が異なり、一つ一つに龍勢師の熱い想いとストーリーが詰まっていることがとても胸に響きます。

さて、いよいよ美峯雲流の打ち上げ時間が迫ってきました。

 


龍勢の打ち上げは、椋神社から300mほど離れた高さ25mほどの櫓から行われます。

 


打ち上げ順が近づくと、流派のメンバ−が龍勢を担ぎ、打ち上げ櫓まで運びます。

 


打ち上げ櫓に向かう途中、桟敷席と打ち上げ会場の間の県道37号を横切るこのタイミングが、一般客でも打ち上げ前の龍勢、そして龍勢師たちの勇姿を見ることができる貴重なタイミング。

 


コスモス畑の広がる打ち上げ会場に向けて、龍勢を担いだ龍勢師が向かいます。心なしか櫓に近づくにつれて、メンバーの表情にも緊張の色が見える気がします。

 


そして、いよいよ打ち上げ櫓に龍勢を設置。

 


櫓の頂上に龍勢が上げられ、龍勢の発射準備が整います。

 


打ち上げ直前の濱田さん。棟梁として、最後のチャレンジとなるので、大きなプレッシャーがかかっているのかもしれません。

 


そしていよいよ美峯雲流の打ち上げ!椋神社前の櫓には関係者が登って口上が上げられます。

 


打ち上げ櫓でも同じように口上が上げられます。

 

口上が終わった瞬間、龍勢に点火!導火線をたどって、龍勢が一気に噴射。轟音とともに、白い煙に包まれた櫓から空に向けて打ち上げられました!

 


椋神社の櫓の方では「行けえぇ!!」と全員の大きな掛け声が響き渡ります。

 


美峯雲流の龍勢は頂点の高さまで伸びることなく、途中で爆発。

 


威勢の良い音とともに、青と紫の煙が空に広がりました。

 


思い通りの打ち上げにはならなかったことで、肩を落とす美峯雲流のメンバーたち。濱田さんご自身がお話しされていた通り、一筋縄ではいかない龍勢の難しさを目の当たりにした気がします。

 


空で開いた落下傘は、いつまでも宙に浮き、濱田さんの最後のチャレンジを称えるようにも見えました。

密着していた美峯雲流の2018年の打ち上げは、頂点まで届かずに開く結果となりましたが、制作から打ち上げまで、真摯に取り組む龍勢師の想いを見せていただきました。

龍勢は何人もの龍勢師が長い時間をかけて「高く、そして綺麗な龍勢をあげるんだ!」という熱い想いを持って作られます。その想いを詰め込んでも、打ち上げてみないと結果がわからない。龍勢師たちはそこにやりがいを感じるのでしょう。

 


打ち上げが終わって、晴れやかな表情で過ごす美峯雲流のメンバー。濱田さんは、「悔しいけど、それくらい難しいのが龍勢。これからは若い世代に託していきたい」と、自らが現場の一線から退いて、龍勢を支えていく想いを語っていただきました。

全4回にわたってお届けしてきた「龍勢祭」の密着。いかがでしたでしょうか?
祭り当日に華やかに打ち上がる龍勢の裏側には、龍勢にかける熱い龍勢師たちの姿がありました。
400年以上の間、このような想いを乗せた龍勢が打ち上げられ続けていると思うと、とても感慨深いものがありますね。ぜひこのストーリーを噛み締めて、龍勢祭を現地で体験をしてみてください!

《注釈》
1、口上(こうじょう):これから打ち上がる龍勢の紹介文にあたる物。約3分間、独特のリズム、音程で読み上げられる。最後の節が読み終わるとともに、龍勢が発射される。

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