龍勢祭レポート

【密着レポート第二弾】龍勢作りの現場に潜入!大空に打ち上がる農民ロケットはこうして作られる

さいたまつりでは、2018年の「龍勢祭」について、20を超える流派の一つ「美峯雲流(びほううんりゅう)」に密着取材を行なっています。第二弾の今回は龍勢がどのように作られていくか、その制作過程をお届けします。

 

約1ヶ月前から毎週末に龍勢作りを。仲間たちの想いが詰まった龍勢ができるまで

抽選会を経て、いよいよ龍勢作りが始まります。
美峯雲流が龍勢作りをスタートさせたのは9月2日。流派のメンバーが集まり、今年の龍勢作りのスケジュールや段取りを相談し、制作が始まりました。

 

打ち合わせ後、すぐに作業場へ。今年使用する材料などを確認します。

※©Design Studio MICKEY Co., Ltd.

龍勢はこのように、背負い物(ショイモノ)、火薬筒、矢柄の3部位で作られています。これらを作りきるのに、およそ1ヶ月半。毎週末、各流派が集まって作業をしていきます。

まずは、龍勢作りの肝となる「火薬筒」を作るところからスタート。昨年のものは使用できないので、毎年イチから作っていきます。

 


松材をくり抜き筒状にしていきます。全て手作業で行うため、寸法には極限までこだわって、何度もメンバーで確認しながら、削る箇所などを決めていきます。

 


ノミを使って、松材をくり抜きます。

 


くり抜いた木材同士を合わせて、このような筒ができます。くり抜く深さ、筒の長さなど、数字上で計測しつつ、熟練のメンバーが勘を効かせる重要な工程です。

毎年、全く同じ手順で作っても龍勢の打ち上がり方が異なるそう。まっすぐ、天高く龍勢をあげるには、この緻密さは絶対に欠かせないものになります。

 


メンバーの作業を見守るのは、棟梁の濱田さん。自らも作業をしつつ、若手のメンバーに龍勢作りを教えています。

 


筒の外部を削り、いよいよ火薬筒の形になってきました!初日は筒の外径が出来上がる段階までで作業は終了。

 


筒の外径ができた翌週から2週間にわたって、筒の「タガ掛け」が行われます。細く裁断した竹を編んだ「タガ」を火薬筒に取り付け、木槌で叩きながら筒をどんどん締め付けていきます。

火薬筒には、打ち上げ時に勢いよく噴射するよう、大量の火薬を詰め込みます。筒には大きな圧力がかかるので「タガ」でしっかり締め付ける必要があります。

 


タガを掛け終わると火薬筒が完成。ここに火薬を詰め込んでいく作業に移ります。


本番の約2週間前、火薬詰めが一日かけて行われます。朝5:30からスタートし、終わるのは夕方近く。火薬を筒に入れては木槌で叩く、という作業を繰り返し、6kgの火薬をぎゅうぎゅうに詰め込みます。

 

 


1週間前には、方向舵の役割をする「矢柄(やがら)」や落下傘・仕掛け花火などの「背負い物」を用意していきます。

こうして完成に近づく龍勢は会場に運び込まれ、本番前日に最後の仕上げが行われます。

前日の最終仕上げは緊迫モードに。いよいよ龍勢が完成!


本番前日。打ち上げ会場には、多くの流派が集い、それぞれの龍勢の仕上げ作業に取り掛かっています。

 

 


矢柄と火薬筒、そして背負い物を合体。更に、打ち上がった時の美しさを増すための工夫として、矢柄に花火を取り付けていきます。

 


こうして、1ヶ月半をかけて作られた龍勢がようやく完成します。

 


龍勢が完成してひと安心の様子の濱田さん。と、同時に、明日の打ち上げが無事に成功するか、内心はかなり不安とのこと。

その不安の裏側にはある想いが…
そんな濵田さんの胸の内の想いを伺うインタビューを行いました。

第三弾「龍勢は生き物だ」龍勢師が40年もチャレンジし続けるその想いとは」はこちら

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