小川町七夕まつりインタビュー

小川町伝統の和紙だからこそできる、紙と光が醸し出す幻想的な光景を楽しんでもらいたい

株式会社門倉商店 代表取締役社長

門倉 義泰さん

伝統産業である「和紙」を使った飾り付けが有名な「小川町七夕まつり」。毎年多くの竹飾りが街を彩る小川町の恒例の祭りで、竹飾りを作り続ける人たちの姿があります。

今回は、小川町で長年、和紙店を営む「門倉商店」の門倉社長に、毎年の竹飾りに対する想いを伺いました!

聞き手・文:浅見 裕

伝統の「和紙」を使い続ける七夕まつり

浅見 門倉さんは、いつ頃から「小川町七夕まつり」に関わっているのでしょうか?

門倉さん 6〜7年くらい前からです。私が実家の仕事を継ぐために門倉商店に戻ってきてから、本格的に携わるようになったのがきっかけでした。

浅見 門倉さんは生まれも小川町ですが、昔から七夕まつりには出かけていたのですか?

門倉さん そうですね。子どもの頃は七夕まつりの日は一日中遊んでましたよ。昔はもっと飾り付けが多く盛大だったので、ずっと祭りにいた気がします。
近年は飾り付けが少しずつ減っていたのですが、現在では町をあげて「小川町七夕まつり」を盛り上げよう!と動いています。今年は70回記念にも当たることから、いつもに増して飾り付けの数も増えそうです。

浅見 それは楽しみですね!そんな「小川町七夕まつり」の、他の七夕にはない特徴は何でしょうか?

門倉さん やはり小川町伝統の和紙を使い続けていることでしょうね。

浅見 なるほど。

門倉さん 全国的に有名な七夕まつりも、飾り付けに和紙ではなくビニールを使うことが増えているようです。雨にも強いですし…

和紙で作った竹飾り

浅見 そうなんですね、確かに夏場だと急な雨とかもありますからね。ビニールの方が効率が良いのかもしれませんね。

門倉さん そうですね。和紙だと毎年、一から作る必要がありますし、ビニールなら使い回しもきくので、準備の手間は省けるんですが、小川町は「和紙」とともに栄えた町なので、その伝統を守るという意味でも、飾り付けに和紙を使うことにはこだわっています。

浅見 和紙を使った飾り付けだと、どのような点が良いのでしょうか?

門倉さん やはり「風情」が違いますよね。和紙の独特の透け感だったり、風になびく音だったり。日本古来のものとしてとても評判が良いです。訪れたお客さんからもよく「小川の飾り付けは本当にいいね」と言っていただけます。

浅見 確かに。風になびく和紙の七夕飾りは情緒を感じますね。

3,000個以上の花飾りを手作りで

浅見 門倉商店さんは昭和29年から続く老舗ですが、和紙店としての飾り付けのこだわりはどんなものがありますか?

門倉さん そうですね、和紙の良さが伝わる飾り付けや演出はしたいですね。

浅見 具体的にはどのようなものでしょうか?

門倉さん 毎年店先に行灯(あんどん)を出しているんです。この行灯は小川和紙を使っていて、和紙の独特の風合いをより感じていただける演出になるかと思います。

毎年店頭に出している、小川和紙を使った行灯(あんどん)

浅見 確かにここに明かりが灯ったら、とても良い雰囲気が出そうですね。

門倉さん 実はこの行灯に毎年ちょっとした工夫をしていて、東京オリンピックの開催が決まった年にはそれにちなんだデザインにしました。今年はどんなものを用意するかまだ決めていませんが(笑)。

浅見 そうなんですね!それは楽しみが一つ増えました(笑)。

門倉さん あとは、竹飾りは実際には私の母(門倉由紀子さん)が中心となって作っているので、母のこだわりも聞いてもらえれば。

花造りの陣頭指揮をとる門倉由紀子さん

浅見 作業中にすみません、ぜひお話を伺わせてください。今は何の作業をされているんですか?

門倉由紀子さん 竹飾り全体の中の「くす玉」※1を作っています。くす玉は竹籠にこの小さな花飾りを敷き詰めて作ります。

一つずつ手作りで作る花飾り

飾り花を使ってモチーフを作る「壁飾り」なども小川町七夕まつりの特徴

浅見 花造りはいつ頃から作り初めてらっしゃるんですか?

門倉由紀子さん 毎年ご近所の皆さんとくす玉の花造りなどから始めて七夕の飾りを造っているんです。だいたい6月初めから造り始めて、今年は3,000個近く花を造るんじゃないかしら。

浅見 3,000個!それはすごいですね…全て手作業で大変そう…

門倉由紀子さん そうですね。でも花造りは6名ほどでやっています。集まって喋りながら作っているので、コミュニケーションの場となっています!今年から駅のくす玉も作ることになっているので、みんなより一層気合が入っています。

「小川町七夕まつり」開催前から駅に飾られているくす玉は今年から門倉さんたちが製作

浅見 今年はどんなコンセプトでお店の飾りを造っているのでしょうか?

門倉由紀子さん 割とカチッと決めて作るというよりは、作りながらインスピレーションが湧いてきて、アドリブで変えていくことが多いんですよ。例えば、以前銀賞をとった時は、見に来た人を驚かせたいと思って、小さな花飾りをたくさん使って、十二単の女性を描きました。今年は、孫たちに喜んでもらえる飾り付けにしようと思っています!

浅見 そうなんですね!どんな仕上がりになるか今から楽しみです。

昨年までの門倉商店の飾り付けの様子。今年ばどんな飾り付けになるか、楽しみです!

昼でも夜でも「和紙」を楽しめる「小川町七夕まつり」

浅見 門倉さんが考える、「小川町七夕まつり」のオススメの楽しみ方はありますか?

門倉さん そうですね、昼だけでなく夜の飾り付けも見てほしいですね。

浅見 と、言いますと?

門倉さん はい、先ほどお話しした通り「小川町七夕まつり」の飾り付けはほとんど和紙を使っています。ビニールにはない、和紙“ならでは” の風合いを楽しむことができるのですが、夜になるとまた違った風合いを見せてくれます。

浅見 なるほど。

門倉さん 夕方からはくす玉の中に明かりを入れたり、先ほどの行灯に明かりを灯したり、飾り付けをそのような夜仕様にしていくんです。ご存知の通り和紙は明かりが透けるので、とてもやわらかく風情のある明かりが楽しめるんです。

このくす玉の中に明かりが灯される

浅見 それは綺麗な光景でしょうね

門倉さん そうですね。これはビニールで作った飾り付けではできないことなので、「紙と光」を楽しめる「小川町七夕まつり」独自の特徴だと思います。

浅見 昼と夜とそれぞれ楽しめるのが「小川町七夕まつり」なんですね!ちなみに門倉さんが毎年の飾り付けの中で、ここの飾り付けがすごい!というのはありますか?

門倉さん 駅前の飾り付けは年々力を入れていますね。あとはコンクールでもよく賞を受賞している田端家具さん。そして毎年見逃せないのが蔵元の「晴雲酒造」さん。実は会場の中では駅から一番離れた場所にあるのですが、七夕まつりに訪れる多くの人が、必ず見て帰るくらい注目されていますね。

浅見 なるほど、会場のあちこちに注目の七夕飾りがあるのですね!
とても「小川町七夕まつり」が楽しみになりました!本日はありがとうございました。

 

「和紙の良さ」を伝えるために、わざわざ手間をかけてでも和紙の飾り付けにこだわるみなさんの想いを感じることができました。小川町の和紙だからこそできる「紙と光」の風情を、小川町七夕まつりで楽しんでみませんか?

《注釈》
1、小川町七夕まつりの「竹飾り」:竹に短冊やのろしの下がったくす玉をつける。さらに家の壁面を飾る「壁飾り」も各所で見られる

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