北本まつり「宵まつり」レポート

北本の中心地をジャック!年に一度の市民の祭り

勇壮なねぷたと囃子山車が北本市内のメインストリートを巡行する「北本ねぷた」。弘前ねぷたにルーツを持ちながらも、北本に根付く文化との融合で生まれた独特の華やかさが特徴
の祭りで、毎年多くの来場者が訪れている関東最大級のねぷた祭りです。

さいたまつりは、2019年11月2日(土)に行われた北本まつり「宵まつり」に密着取材。お囃子の音色とともに秋の夜を華やかに彩るねぷたをレポートします!

 

華やかなパレードから祭りはスタート!ご当地グルメにも舌鼓

JR高崎線「北本」駅西口のロータリーから真っすぐ伸びる、北本西中央通りが北本まつりの会場。約900mにも及ぶ大通りをめいっぱい使って行われるさまざまな催しは昼間から始まります。

 

午後2時、オープニングパレードがスタート。メインイベントであるねぷたの登場は夕方からですが、沿道にはすでに北本まつりを楽しみにしている人でいっぱいです。

 

会場では、よさこいソーランなど市民団体によるパフォーマンスが披露され、街を賑わせます。

 

北本のよさこいチーム「北桜連」の旗士はなんと高校生!先頭で堂々と大旗を振る姿に沿道からも大きな拍手が沸き起こります。

 

駅前では、北本市内の飲食店を中心とした北本グルメ販売ブースも出店。祭りで味わう地元の味は思い出に残りますね。

 

北本市商工会が特別出店している「トマトもつ煮」。地元の名産のトマトを使ったもつ煮でトマトの味が濃く、甘味と酸味がもつの旨味を引き立てます。絶品!

 

北本市観光協会が販売する北本トマトカレーも。レトルトパックになっているので北本まつりのお土産にもぴったりです。北本トマトイメージキャラクターの「とまちゃん」のグッズや北本ねぷたグッズも販売していました。

 

日が落ちかけてきた午後4時頃。西中央通りが催し物で賑わっている間にも、ねぷたや囃子山車が少しずつ姿を見せ始めました。今年で26回目を迎える関東最大級のねぷた祭りがいよいよ始まります!

7つの町会が共演!北本に伝わる祭り囃子から宵まつりがスタート

歩行者天国の中央に大小さまざまな太鼓が並べられ、「北本太鼓 かばざくら」による重厚な和太鼓の音が鳴り響くと、会場の空気が一気に変わり、待ちに待った宵まつりがスタートします。

 

午後6時、実行委員会によるスタートの合図を皮切りに、西口ロータリーでは7町会の囃子連が一斉に笛太鼓を鳴らし始めました。水引幕や提灯、花で飾られた山車はとても華やか。見ているだけで気分が高まってきます。

 

どの連もお囃子だけではなく、ひょっとこや白狐、獅子舞などが囃子山車の前に出て踊り、観客を楽しませます。

関係者の方によると、各地域・各連で受け継いできたものを持ち寄っているため、それぞれ踊りが違い、また演奏している曲目も連によって違うんだとか。

 

宵まつりのオープニングを飾るお囃子の共演を終え、囃子山車が動き始めました。これから西中央通りをねぷたとともに巡行します。

北本ならではの工夫も……ねぷたが街をひとつにする

西中央通りの奥のほうから、巡行するねぷたの姿が見えてきました。

 

ねぷたの鏡絵の多くは、戦国武将の活躍や、中国の三国志、水滸伝などを題材に描かれます。表情や身構えだけでなく、視線の先にまで迫力が感じられます。

 

北本ねぷた絵師会の方々が先日インタビューの際に描いていた弁慶と牛若丸のねぷたがやってきました。烏天狗を交え睨み合う三者の視線が見事な三角形を描き、構図にバランスを保たせています。そして夜空に映えるねぷたのメインカラーの赤、画を引き締める差し色の黄が迫力を際立たせます。近くで見ると、勇ましさの中にも細部まで緻密に描かれている筆使いが分かり感動します。

 

表面となる鏡絵の鬼気迫る弁慶に対して、裏面の見送り絵には剣を持って可憐に踊る牛若丸が描かれます。表と裏で描かれる「静と動」の対照もまた、ねぷたの見どころのひとつです。

 

北本トマトイメージキャラクター「とまちゃん」をあしらった東地域コミュニティ委員会のねぷた。微笑むとまちゃんのねぷたは北本ならでは。「肩」と呼ばれる扇の横面の図柄も、トマトの赤とヘタの緑のように見えます。

 

そして、北本ねぷたといえば、弘前ねぷた譲りの「ヤーヤドー」という掛け声とねぷた囃子が見どころ。ねぷたの後に続いて巡行する大きな締太鼓を長撥で叩き、笛と鉦がその調子に合わせます。ねぷた囃子の情緒的な調子には、駅前で見た賑やかな祭囃子とはまた違った美しさがあります。

宵まつりは弘前ねぷたに倣って始まったものですが、現在では北本ねぷたでしか見られない工夫も随所に盛り込まれています。

 

たとえば、「開き」と呼ばれる、格子になった台座の部分。弘前ねぷたには牡丹の花が描かれることが通例ですが、北本では市の花である菊が多く描かれています。

弘前から指導に来た絵師の方に「地元の文化を取り入れて北本ならではのねぷたを作ってほしい」とアドバイスを受けたことをきっかけに、北本独自のモチーフを取り入れるようになったのだとか。

 

こちらは桜ねぷた。北本ねぷたの多くは扇形の扇ねぷたですが、桜が北本市の木であることから、桜の花の形に作られています。

 

小さな子供にも親しみやすいアニメねぷたもありました。

 

こちらは国際交流ラウンジ委員会の、地球の形をしたねぷた。ビートルズの楽曲を流しながらやってくる地球ねぷたに会場の雰囲気も和みます。

これらのねぷたは、ルーツである弘前ねぷたにはないものです。北本ねぷたは、もともと北本の地域コミュニティ育成を目的に始められたからこそ、市民がそれぞれのスタイルで一緒に楽しんでいるのですね。

 

群馬県太田市の尾島ねぷたまつりから「上州ねぷた会」も参戦。「馬乗り太鼓」を叩く女性の凛々しい姿に圧倒されます。

北本と弘前、そして太田。ねぷたを通じて市内だけでなく、市外の人々ともつながりが広がっていることが伝わりました。北本まつりは市民の枠を超えた祭りへと成長しつつあります。

 

午後8時、閉会宣言をもって宵まつりが幕を下ろしました。互いのねぷたを称え合い、労をねぎらいながら山車やねぷたが徐々に会場を後にしていきます。お囃子も止み、人々のざわつきが祭りの余韻を感じさせます。誰もが後ろ髪を引かれつつ、一人、また一人と帰路につき、北本の夜が更けていきました。

北本まつり「宵まつり」は新しいねぷたを披露するため、半年前から準備が始められるといいます。またあの勇壮なねぷたの数々を見られることが楽しみですね。この迫力と感動は間近で見てこそのもの。来年はぜひ皆さんも北本へ足を運んでみてはいかがでしょうか?

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