川越まつりレポート

豪華絢爛な山車が趣ある川越の街を練り歩く!「川越まつり」

小江戸川越の蔵造りの街並みを豪華絢爛な山車が巡行する、見どころたっぷりの「川越まつり」。今年は「川越氷川祭の山車行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されて以来、初の開催となりました。毎年90万人を超える人出で、川越の街が盛大に盛り上がる2日間となります。

しかしながら、今年は天気に恵まれず…2日目は終日雨の中おこなわれましたが、それでも祭りの熱気は変わらず、集まった人たちを熱気の渦に巻き込む素晴らしい祭りでした!

今回は、山車組み立てなどが行われる前日から、祭り当日2日間まで、川越まつりの魅力を存分にお伝えするレポートをお届けします!

イチから組み立てられる山車に釘付け!祭り準備が行われる前日

川越まつりの準備は、1週間前から始まります。それがお店や家の前に紅白幕をかける「軒端揃え」。川越の街並みに紅白幕が飾られ、「いよいよ祭りが始まる!」といった空気が流れ始めます。

本格的な準備の一つ、山車の組み立ては前日の金曜日の朝から行われます。今回は、ユネスコ無形文化遺産に登録された山車を2台所有する幸町の山車組み立てを見学しました。

 

まずは頑丈な車輪が運び込まれます。

 

重さ2〜3トンを超える山車を支えるだけあって、車輪はとても頑丈な造りになっています。

 

山車は実に200点以上の部品から作られており、釘を一切使わず組み上げていきます。巨大な山車がこれだけ細かい部品を組み合わせてできているのには驚きですね…

 

山車の組み立てや曳き回し時の車輪の操作・方向転換などは「職方(しょくかた)」と呼ばれる、大工・鳶職などの職人さんたちが行います。職方が勢いよく声を掛け合って山車を組み立てていきます。

 

川越まつりの山車の特徴がこの回転台(回り舞台)。曳き回しの途中、他の町の山車と「曳っかわせ(山車を向き合わせて、お囃子を叩き合う)」を行う際、この回転台で舞台を回し、山車を向き合わせます。

 

このように真正面から向き合うことで、曳っかわせの迫力がより一層増します。

 

人形が迫り上がる仕掛けをやぐらに組み込んでいきます。江戸時代に城の門をくぐるために人形を上げ下げするエレベーターのような仕組みも、川越まつりの山車の特徴の一つです。

 

次々に部品が組み立てられ、徐々に豪華絢爛な山車の姿が見えてきますね。

 

山車の組み立てをしている一方、午前11時から氷川神社にて「笠渡し」と呼ばれる神事が行われます。

 

各町の代表者に、この笠が一つずつ手渡されていきます。この笠を各町が預かり、山車に神様を宿らせると言われています。

 

氷川神社の宮司より、祭りの成功を祈っての言葉をいただきます。

 

夕方になり、各町の祭りの本部になる「会所開き」を行います。会所は神をお迎えする祭り宿です。

 

提灯が灯された会所。暖かい明かりに包まれます。

 

会所開きでは、氷川神社の宮司による神事が行われます。

 

神事の後は、職方の「木遣り(きやり)」と呼ばれる、仕事歌が歌われます。

 

その後、今年最初のお囃子演奏が披露されます。集まった人々が耳を傾け、静かにお囃子演奏が始まります。

 

笛・太鼓・鉦の演奏とともに舞も披露され、お囃子が盛り上がりを見せます。

金曜日の前日準備は以上で終了。翌日からの祭りがとても楽しみです!

曳っかわせは必見!熱気に包まれる1日目

祭り当日、1日目は朝10時の交通規制開始と同時に山車巡行がスタート。昨日まで降っていた雨もやみ、無事に曳き廻しができそうです。

 

職方の力で、会所から山車が出されます。

 

このように、車輪にバールを引っかけて、職方が車輪の操作を行なっていきます。重さ2〜3tの山車が動くため、ギシギシ!という音とともに、重厚感が伝わってきます…すごい迫力ですね。

 

川越まつりの山車の特徴の一つ、山車の最上部に飾られた人形。町によってこの最上部にいる人形は異なります。(写真は幸町の「翁」)

 

通りまで山車を出したら、山車を曳く縄を伸ばします。町内の人が縄に手をかけ、出発を待ちます。

 

各山車には「宰領(さいりょう)」と呼ばれる運行責任者がいます。宰領が頭上高く拍子木(ひょうしぎ)を「カンッ!カンッ!」と鳴らし、全員の「ソーレー!」の掛け声と共に山車が動き始めます。

 

軋む車輪の音とともにお囃子の演奏が始まり、勇ましい姿で川越の街を巡行します。

 

交差点に差し掛かると見どころが訪れます。山車の方向転換です!職方が山車の下にもぐり、ジャッキで山車を持ち上げ、一気に回転させます。

 

「ギシギシ!」と車輪の軋む音とともに回転する山車の姿は迫力満点!多くの人が足を止めてその姿に見とれていました。

 

また、他の山車とすれ違うときや、他の町の会所前を通るときには、山車の回り舞台を回転させ、山車同士を向かい合わせてお囃子を披露します。回転台は木のストッパーで固定されており、これを取り外し、くるっと舞台を回します。

 

舞台を回転させれば、他の町の山車や会所と真正面で向き合うことができます。正面から向き合い、お囃子を叩き合う姿はとても迫力がありますね!

 

各町が山車を巡行し、一通り街を回り終えたのち、13時30分からは「市役所前の山車巡行」が行われます。市役所前で13〜14基の山車が巡行し、叩き合いなどを見ることができる、1日目の見どころの一つです。

(例年、市役所前の山車巡行は2日目に行われますが、2017年に限り1日目に実施。市役所前を巡行する山車の数は年によって異なります)

 

各町の山車が一台ずつ、堂々と市役所前を巡行します。山車をじっくり見るには、この「市役所前の山車巡行」がオススメですね。

 

一台ずつ山車が市役所前に止まり、お囃子を披露。会場では、各町の山車の特徴などがアナウンスされます。

 

お囃子のお披露目を終えた山車が、他の町の山車と向かい合って「叩き合い(曳っかわせ)」※1を行います。お囃子を競い合い、即興で踊りのコラボを披露するなど、臨場感あふれる姿を見ることができます!

 

日が落ち、18時頃になると、各町の山車は会所前に待機し、「宵山の山車揃い」として居囃子※2を披露します。昼間の勇ましい姿とは違い、提灯に明かりの灯った山車の姿は、幻想的な雰囲気を作り出しています。

 

この時間は、各所の混雑も少なく、幻想的な山車と優雅なお囃子をゆっくりと堪能することができます。

 

また、各町の山車は、随時氷川神社にお参りします。幸町の山車「小狐丸」は、ちょうど「宵山の山車揃い」のタイミングで氷川神社へ向かいました。

 

氷川神社に向かってお囃子の演奏をします。

 

拝殿の中で神事を執り行います。

 

19時を過ぎると各町の山車が一斉に動き始め、巡行を行います。昼とは違う、きらびやかな姿に魅せられてしまいますね。

 

クライマックスに向けて、交差点では次々に「曳っかわせ」が行われます。交差点などで他の町の山車に出会うと、お互いに舞台を向かい合わせ、お囃子を競い合います。

 

入り乱れるお囃子とともに、曳き方衆の提灯が乱舞する光景、ものすごい迫力!観客を圧倒します。

 

「曳っかわせ」は3台、4台と複数の山車で行われることもあり、この瞬間が川越まつりの最高潮の熱気であると言えるでしょう。(写真は「市役所前」交差点)

 

この日の全ての巡行を終え、人の姿がまばらになり始めた会所に山車が帰ってきます。

1日目から迫力のある姿を次々に魅せてくれる山車、そして鳴り響くお囃子。見どころの詰まった1日目となりました。

雨により残念ながらメインの行事は中止…それでも見ごたえのある川越まつり!

2017年の川越まつり2日目は、あいにくの雨によりメイン行事となる「神幸祭(じんこうさい)」、「市役所前の山車揃い」が中止となってしまいました…
が、祭り自体は行われ、雨の中でも巡行する山車や居囃子で華麗な演奏を見せるお囃子など、見どころのある2日目でした。

 

川越まつりの朝はとても早く、朝6時から行われる「朝囃子(あさっぱやし)」からスタートします。川越のシンボル「時の鐘」の荘厳な音で朝6時を知らせた瞬間から、お囃子の演奏が始まります。
昨日までの盛り上がりが嘘のような静かな街の中で、お囃子が鳴り響きます。
(朝囃子は1日目、2日目、両日とも行われる)

今年は残念ながら「神幸祭」は行われませんでしたが、氷川神社内の召し立ての儀は氷川神社建物内で執り行われました。

 

本来行われる予定だった「神幸祭」とは、氷川の神様が神輿に乗って町を巡行することで、その御神徳をいただき、幸福と町の繁栄を祈請するという、現在の山車行事の原型となった伝統儀式。

 

「市役所前の山車揃い」は、13〜14台の山車が市役所を背に整列し、お囃子を演奏するもの。ずらっと一列に山車が並ぶ様は迫力満点でしょうね!
(写真は2016年撮影。山車の数は年によって異なる)

 

その後、日が沈んでからも雨は止むことはありませんでしたが、一部の町の山車は雨に負けじと山車巡行を行いました。

 

雨対策をしながらも、巡行を行う山車は、通常時と変わらぬ迫力で存在感を見せつけていました。

 

この日も夜21時に全ての巡行が終了。あいにくの天気に見舞われつつも、多くの人出の中で熱気溢れる川越まつりを体験することができました。

 

小江戸と呼ばれる川越を舞台に20基を超える山車が巡行する「川越まつり」。各町の自慢の山車が勇ましく存在感を漂わせ、華麗なお囃子が鳴り響くことで、独特な空気感の祭りとなりました。

来年こそは、晴天に恵まれる川越まつりになるよう期待したいですね!

(取材日:2017年10月13日〜15日)

《注釈》
1、叩き合い(曳っかわせ):山車を向き合わせて、お囃子を叩き合うこと
2、居囃子:会所などで山車を止めたまま、その山車の上でお囃子を演奏すること

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