踊る“外道”に“天狐と蜘蛛の糸”! 市内11基ある山車競演は圧巻!
飯能まつりレポート

踊る“外道”に“天狐と蜘蛛の糸”! 市内11基ある山車競演は圧巻!

毎年11月に開催される飯能まつり。今年(2018年)で48回目の開催を迎えた歴史ある祭りです。この祭りの見どころは、1日目の「底抜け屋台」と呼ばれる珍しい屋台と、2日目の絢爛豪華な山車の競演です。さいたまつりでは、2018年の「飯能まつり」の様子を取材。現地に行ったら押えておきたいポイントなどをレポートします。

 

飯能まつりの名物と言えば「底抜け屋台」と、「絢爛豪華な山車」!

ここでまず「飯能まつり」に欠かせない屋台と山車についてご紹介します。まず1日目に登場するのが「底抜け屋台」です。17時~20時半にこの「底抜け屋台」がお祭り会場を曳き回されます。「底抜け屋台」とは、屋台の床板が貼られていない珍しいタイプの屋台で、大きな太鼓で祇園囃子(ぎおんばやし)を奏でながら、屋台の動きに合わせて中の囃手も歩くスタイルで巡行します。

 


特にこの「底抜け屋台」で押えておくべきなのが、1日目の20時~銀座通りで行われる「底抜け屋台の引き合わせ」です。これは1日目のクライマックス行事で、通りに11台の「底抜け屋台」がずらりと並び、力いっぱいお囃子を叩き合う姿は必見。なお「底抜け屋台」が見られるのは1日目だけなので、注意が必要です。

2日目にはいよいよ絢爛豪華な11台の山車が登場します。12時~20時頃までお祭り会場を曳き回されているので、昼や夕暮れ、夜などの時間帯によって異なる印象を楽しむのがおすすめです。ここではいくつか山車の見どころをご紹介します。

 


各山車は、町内ごとにカラーが異なります。こちらは鮮やかな赤を基調とした「二丁目」の山車。お囃子に合わせ、山車の下で扇子を持って呼応する女性たちの衣装や扇子の色も山車とそろっていて綺麗ですね。

 


こちらは青を基調とした「双柳」の山車。青と白のコントラストが爽やかです。

 


また山車の舞台上では様々な舞手が順繰りに登場し、お囃子を盛り上げます。特に「飯能まつり」の特徴といえば、鬼の形相をした「外道(げどう)」です。「外道」の力強くもどことなくユニークな舞は必見です。

 


各山車の見事な彫刻もぜひ押えておきたいところ。「宮本町」の山車は大正14年に作られたもので、正面には名工・佐藤光重による見事な鳳凰の彫刻が施されています。

 


日本神話「素戔嗚尊(スサノオノミコト)」を乗せた「江戸型人形山車※1」というタイプの山車もあります。保有しているのは「河原町」で、飯能市の有形民俗文化財に指定されています。

全山車がそろう「山車総覧」では名物「天狐と蜘蛛の糸」も!

2日間にわたり開催される「飯能まつり」。初めて訪れるなら、絢爛豪華な山車が巡行する2日目はぜひ押さえておきたいところです。特に、日中に行われる「山車総覧」と続く「引き合わせ」は必見です。また明るいうちに山車ごとに異なる荘厳な彫刻もチェックしてくださいね。

 


こちらは当番町である「本郷」の山車巡行の様子です。取材当日は、朝からあいにくの小雨模様でしたが、雨にも負けず山車の曳き回しは決行されました。

 


山車の先頭には、鮮やかな衣装を身にまとった女の子たちの姿が。手古舞(てこまい)と呼ばれ、山車を先導する役目を担います。

2日目の昼に必ず見ておきたいのが、14時40分から飯能駅北口の駅前通りと中央通りが交わる「東町交差点」行われる「山車総覧」です。「山車総覧」に続いて、第1回の「引き合わせ」も行われます。昼の引き合わせはこの回のみで、残りの1回は、暗くなってからの19時40分から行われます。

 


東町交差点の4つ角に11基の山車が一同に会し、「山車総覧」が披露されます。豪華な山車が一堂に会してお囃子を競演する姿は圧巻です。

 

「引き合わせ」では、各町内会が工夫を凝らした演技を繰り広げます。「前田町」の山車の上では“天狐と蜘蛛の糸”が披露されました!

 


「ソーレ、ソーレ!」とお囃子に呼応する「扇子の舞」は大変美しく、盛り上がります。女性たちの衣装も町内ごとに色が異なるので、ぜひ見比べてみてください。

「山車総覧」と「引き合わせ」は歴史ある山車の数々を身近で見られるチャンスです。なかでも個性的な舞手には注目です。

 

商いの神として知られる“えびす様”や、

 


真っ赤な衣装をまとい一際目立つ“赤い狐”の姿や、

 


「飯能まつり」の名物“外道”がダブルで登場するなど、見物客を楽しませる工夫が随所に感じられました。

「山車総覧」と「引き合わせ」が終わると各山車は解散し、引き続きお祭り会場内を巡行します。

 

お祭りの合間にちょっと足を延ばして…

お祭り会場からちょっと足を延ばすと、約5分(飯能駅から徒歩15分)ほどで、「飯能河原」に到着します。キャンプやバーベキューで有名な「飯能河原」ですが、この時期は河原にかかる「割岩橋」をライトアップしています。

山車の曳き手が休憩している間、飯能グルメを味わいながら河原まで足を延ばしてみるのもいいですね。おすすめ飯能スポットはこちら

 

幻想的な雰囲気の中、グランドフィナーレの「夜の引き合わせ」は必見!

日が暮れると、各山車の提灯の明かりがともり、より幻想的な雰囲気を醸し出します。「夜の引き合わせ」が始まるまで、この絢爛豪華な山車は会場内の各通りを巡行しています。

 


人形を乗せた江戸型人形山車は、全長が信号機を超えるので、近くでみるとその高さに圧倒されます。

19時40分から開催されるのが、2回目の「引き合わせ」です。駅前通りに11基の山車が集合し、フィナーレとなります。提灯も灯り、昼とはまた違う趣ある競演が楽しめます。

 


夜の「引き合わせ」のため、続々と各町内の山車が駅前通りに集まってきます。

 


駅前通りの片側に横並びで11基が整列します。

 


当番町の本郷の合図とともに、夜の「引き合わせ」がスタート!幻想的な雰囲気の中、会場全体にお囃子の音がこだまします。

 


フィナーレでもたくさんの舞手が登場します。踊る“カッパ”に、

 


噛んでもらうとご利益がありそうな“金の獅子”もお目見えしました。

 


引き合わせの終盤に“天狐と蜘蛛の糸”が披露されると、大歓声が!蜘蛛の糸を手に仕込んでいる舞手を見つけたら、シャッターチャンスです!

 


夜の「引き合わせ」は20分ほど。時間はあっという間に過ぎ、それぞれの町内会が挨拶をしあって帰路につきました。これにて2日間にわたって開催された「飯能まつり」は終了です。

今年で48回目を迎えた「飯能まつり」。伝統の屋台や山車の競演から、他では見られないユニークな“天狐と蜘蛛の糸”や“外道”など、見どころいっぱいのお祭りでした。ぜひ次回の「飯能まつり」を堪能してみてはいかがでしょうか。

※1 江戸の山王祭・神田祭を中心とした祭礼において曳き回されていた山車のことで、上部に人形(御神像)を乗せている。「川越まつり」などでもこのタイプの山車が見られる。

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