幼き頃の祭りの思い出から親子三代に渡り受け継がれる祭りへの想い
深谷まつりインタビュー

幼き頃の祭りの思い出から親子三代に渡り受け継がれる祭りへの想い

相生町の小暮家のみなさん

7月の最終週に行われる「深谷まつり」。その中で行われる「八坂神社夏季例大祭」は300年以上の歴史を誇る伝統行事です。長きにわたって受け継がれてきた祭りだからこそ、深谷では家族全員で祭りに関わっている方も多いようです。
今回は、2019年深谷まつりの当番町である「相生町」で、親子3代にわたって祭りに関わる小暮さん一家の皆さんにお話を伺いました。時代が移り変わりながらも、親子3代で受け継がれている“祭りイズム”とは?

相生町の小暮家のみなさん 左から 父:仁志さん(44歳)、祖父:幸弘さん(73歳)、子:晴大くん(11歳)

親から子へと受け継がれるもの

ー本日はよろしくお願いします。親子3代で深谷まつりに参加していらっしゃるとのことで、それぞれ祭りへの関わりを教えていただけますでしょうか?

 

祖父:幸弘さん 私は相生町の自治会長をしています。子どもの頃に参加していた祭りが本当に楽しくて、その祭りをしっかりと伝えていきたい、という想いから、14年前に自治会の理事として、改めて祭りに関わるようになりました。

父:仁志さん 私は囃子會の会員として祭りに関わっています。以前は囃子會の代表者をしていましたが、代表を退いてからも、お囃子を上手に叩ける子どもたちが増えるようにと、いち会員としてお囃子の担い手をバックアップしています。

子:晴大くん 小学一年生になった年から参加してます!友達と一緒に子ども神輿を担いだり、お囃子を叩いたり。あ、あとアイスを食べたり(笑)。

ーいや、アイスもいいですが、祭りも盛り上げよう(笑)。晴大くんは何人くらいの友達と祭りに参加しているの?

子:晴大くん 30人くらいかな…?

父:仁志さん 一時期5人とか6人とか、少ない時もあったんですが、ここ数年、子どもの参加者は多くなっていて、今では30人ほどいてとても賑やかになってますよ。

 

ー祭りに興味のある子どもを集めるなんて、すごいですね。

父:仁志さん 子どもたちがたくさん参加して、活気ある祭りにしたいという思いから、相生町に住んでいない子どもでも参加できるようにしたんです。そうしたら祭り好きの子が集まって。今は「祭りをやりたい!」っていう子がたくさん集まってますね。

ーなるほど。「やりたい!」っていう子たちが集まっていると、とても楽しい雰囲気になりそうですね。

子:晴大くん みんなで集まって、太鼓を叩いたりするのがとっても楽しいです!

 

ー親子3代で祭りに関わっていると、親から子へのアドバイスなんかはあるのでしょうか?

祖父:幸弘さん しっかりアドバイスしたことはないですね。仁志には自ら考えて学んで欲しいという想いで、ほとんど口出していませんでしたよ(笑)。でも、今、祭りへの情熱を持って活動している仁志の姿を見ると、多くは語らなかったですが自分の背中をみて育ってくれたんだなと感じます。

ーなるほど(笑)。仁志さんも細かいアドバイスをもらわないことで、本音では「祭りに関わるのがいやだなあ」とか「大変だなあ」と言う気持ちが、“実は”あったり?

父:仁志さん いや、それは全くないですね!子どもの頃はとにかく祭りが楽しくて、大人がしっかりと準備しているのも見てきたので、祭りを続けるために自分もそういった役割をしていくのを、小さい頃から意識してましたからね。自分がやるのは当然だし、楽しませてくれた祭りに恩返しをしたい、っていう気持ちが強いですよ。

ー恩返しがどんどん繋がっていくのは素敵ですね。仁志さんから晴大君へはいかがですか?

父:仁志さん 私もあまりアドバイスはしないようにしていますよ。いろんな子どもが参加している中、囃子會の会長を務めた私がみっちり教えるのも、他の子どもにとって不公平ですし(笑)。
でも、晴大とてもよくできていると思いますよ。

ーそうなんですね!晴大くんがニヤニヤしてます(笑)

父:仁志さん まあ、叩くときの手の上げ方とか表情とか、どうしても気になるところは細かい所までアドバイスしてますけどね。

 

祖父:幸弘さん 私もお囃子の叩き方はよく見てますね。。音を奏でるお囃子ですが、やはり見ても綺麗なのが一番ですから。叩く音も揃っていて、叩く姿に迫力があったら、見ている観客も一気に盛り上がります。

ー叩き方ですね。なるほど。山車・屋台の上で叩く姿は、みんなが注目しますからね。ちなみに、親子で何か夢とかはあるんでしょうか?

父:仁志さん 私は、妻と晴大の3人で山車の上でお囃子を叩くのは夢ですね。中学生になると囃子會の半纏を着られるのでその時一緒にできたらいいですね。今、小学5年生なので、2年後かな。

ーそれは2年後に期待ですね!

盛大に神輿に水をぶっかける!深谷まつりでしかみられない光景

ー深谷まつりの好きなところをそれぞれ教えていただけますでしょうか?

祖父:幸弘さん 深谷市は地味な町なんですよ。いや、悪い意味ではなくて。派手さはないけど堅実さがある。だから祭りも地元愛がある人たちがしっかりとやりきる、そういうところがとてもいいですね。

 

ー堅実で地元愛のあるみなさんで作る祭り。いいですね。「地元を想って堅実にやる」というのは渋沢栄一の生誕地というのも影響してるんでしょうか?

祖父:幸弘さん そうですね。私の母親が渋沢栄一の生まれ故郷の近くの出身なので、よく渋沢さんの話を聞いてました。堅実にやる人たちが深谷には多く、祭りもそういった人たちに支えられている。渋沢さんの血がそうさせているのかもしれませんね。

ー父:仁志さんはいかがですか?

父:仁志さん 深谷まつりでは神輿に水をかけるんですよ!威勢良く。私、大人になるまでこれが深谷だけの独特な風習ってことを知らなくて(笑)。起源については、神輿洗いの儀だったり、暑さ対策としてやっていたなど諸説ありますが、今では深谷の神輿渡御の際の名物になってますね。

 

ー神輿に水をかけるのは珍しいと思います!他の祭りで神輿に水をかけた人が、鬼の形相で怒られてたのをこの前見たばかりですよ…(笑)。この水をかける風習は昔から行われているのですか?

祖父:幸弘さん 私の子どもの頃からやってましたよ。神輿が通るところには、バケツや桶にいっぱいの水を用意しておいて、通るときにみんなでかける。子ども神輿のときにも水をかけるんですが、子どもたちは喜んで水を浴びてますよ。

ー時期的には猛暑ですからね。水を浴びたくなる気持ちがわかります(笑)。

子:晴大くん 神輿を担いでいるときに水を浴びるのはほんと気持ちいいですよ!あと、僕が好きなのは、駅前に集まる山車・屋台が勢ぞろいするとき。深谷まつりの中でも一番盛り上がる場面で、とっても楽しいです。

ー10基以上の山車・屋台が集まる光景は見ものでしょうね。

 

40年以上の時を越えて復活!八坂神社の宮入り

ー祭りに訪れるみなさんに、ぜひここは見てほしい!というポイントを教えていただけますでしょうか?

祖父:幸弘さん 今年は、特に注目して欲しいのが、40年以上実現していなかった八坂神社の宮入りの復活ですね。

 

ー八坂神社の宮入り!それはどのようなものなんでしょうか?

祖父:幸弘さん 祭りの時、八坂神社の神輿は本宮から出て各町を渡御して、年番町に設置される御仮屋に安置します。四十数年前から、御仮屋にある神輿を担いで本宮に戻す、という儀式を取りやめてしまっていて、今年はそれを復活させようと動いているんですよ。

ーなぜ40年以上もこの宮入りが行われていなかったのでしょうか?

父:仁志さん 昔は各町会が町神輿を持っていなくて、神社の宮神輿を担いでいたんです。ただ各町がそれぞれの町で町神輿を持つようになってからは、宮神輿の担ぎ手が減ってしまって…それで、宮入りが行われなくなったと聞いています。

ーそんな背景があったんですね。今年はどんなメンバーで宮神輿を担いで宮入りを行うのでしょうか?

父:仁志さん 連合青年部が中心となって担ぐことになります。各町の神輿を担いでいるメンバーを集結させて、21:30頃、御仮屋から担ぎ出す予定です。

ーそうなんですね。40年以上ぶりに復活する宮入り。最後まで見逃せませんね!

父:仁志さん あ、それと、神輿と山車の融合は深谷まつり最大のみどころですね!これはぜひ見て欲しいです。深谷まつりでは、山車・屋台が12基、居囃子は5箇所、神輿が14基が街中で行き交います。お囃子を奏でる山車・屋台のすぐ近くを、威勢良く担がれる神輿が通る。この競演は迫力があります。

ーその迫力、ぜひ間近で見たいですね!

父:仁志さん あとは、お囃子ですね。町ごとに演奏されるお囃子は全然違うので、その違いを聴き比べてもらえると、楽しいかもしれません。
ちなみに、お囃子の鉦(かね)も他の祭りと比べてかなり大きい(笑)。これが山車に3つとかついてますからね。かなり聞き応えのあるお囃子だと思います。

 

ーそれでは最後に、今年の祭りへの意気込みをお話いただけますか?

祖父:幸弘さん 今年はとにかく宮入りが滞りなく、しっかりとできればと思っています。
八坂神社は元は私たちの町「相生町」にあったので(現在は西島の瀧宮神社に合祀されている)、当番町を担当する今年こそ、この宮入りの復活のタイミングとしてふさわしいとも思います。きっちりやって、来年以降も続けられるようにしたいですね。

父:仁志さん 当番町は7年に1回の大仕事なので、事故なく無事に終えられるようにしたいです。宮入りの取り組みも私は初めてなので、緊張しますが、頑張ります。

子:晴大くん とにかくみんなで楽しみたいです!

 

ー当日が楽しみです。みなさん、ありがとうございました!

親子3代にわたって関わる深谷まつり。それぞれの年代で胸に秘める想いは様々かもしれませんが、3人とも深谷まつりへの「愛」を感じるお話でした。
ぜひ深谷まつりに足を運んで、3人の活躍を応援してみてくださいね!

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