南越谷阿波踊りインタビュー

「阿波踊りで、みんなを笑顔にしたい!」阿波踊りに熱中し続けるその理由とは?

「きむら連」所属

見山 静香さん

日本三大阿波踊りに数えられる「南越谷阿波踊り」。徳島出身の実業家が始めたこの祭りですが、今では越谷では欠かせない地域に根付いた祭りとなっています。地元の「きむら連」に所属する見山さんも、「南越谷阿波踊り」に魅了され、毎年踊り続けている踊り手の一人。阿波踊りで多くの人を笑顔にしたい!というアツい想いを伺いました。

聞き手・文:浅見 裕

とにかく、阿波踊りにハマり続けてきた

浅見 見山さんは、いつ頃から阿波踊りを始められたのでしょうか?

見山さん 今から、20年前ですね。

浅見 20年前!見山さんは今年29歳と伺いましたが、9歳の頃から続けているということですか?

見山さん はい、そうです。最初は、それほど興味がなかったのですが、親に連れられて地域の連の練習に参加したのがきっかけです。

浅見 なるほど、最初から強い憧れがあって始めたわけではなかったのですね。

見山さん そうなんです。でも、実際に自分で踊り始めてからは、どんどん阿波踊りにハマっていったんです!始めた頃は、子どものパートで踊っていましたが、本格的にやるようになったのは、成人して女踊り※1をするようになってから。大人の色気を出すのも、楽しいことがわかりまして(笑)。夢中になって続けています。

浅見 それほどまでに阿波踊りにハマっていった理由はどんなものでしょう?

見山さん とにかく阿波踊りを知れば知るほど、その繊細さを感じたんですね。阿波踊り自体は、誰でも簡単に踊れることが特徴ですが、踊りを極めようとすると、指先の一本一本まで神経を尖らせるほど、細かい表現をするんです。

そんな阿波踊りの繊細さを知ってからは、もっと綺麗に踊りたい、何よりも自分がもっと楽しみたい、という想いが強くなりましたね。

浅見 そんなに集中力が必要なんて、すごいですね…そこまで惹きつける阿波踊りの魅力とはなんでしょう?

見山さん 老若男女が同じ踊りを一緒にできる、これも阿波踊りの魅力です。

私の所属している「きむら連」は総勢60名ですが、下は2歳から上は60歳まで、同じ目的を持って集まって、阿波踊りをやっているわけです。

浅見 すごい年齢幅ですね!

連を越えて、一緒に踊ることも。とにかく、笑顔にあふれる様子が印象的

見山さん はい、この交流の輪が広がったことも、阿波踊りにハマっていった理由の一つです。

同じ目標に向かって同じことをしていく、こういった関わりを持てる機会は、普通は仕事や学校しかないと思うんです。それが、阿波踊りを通して、多くの人と関われるわけですね。そして、阿波踊りで繋がった人たちは仲が良い!連を超えても強い繋がりを持っているのが南越谷阿波踊りのすごいところです。

浅見 違う連でも繋がりがあるんですね!

見山さん はい、そうですね。連のメンバーや他の連は仲間であり、ライバルでもあるんです。互いに刺激しあって、より良い踊りにしていく、そういった関係が良いところだなと思っています。

浅見 踊りもものすごい迫力でした!どのくらいの頻度で練習をされているのですか?

見山さん 私の所属している「きむら連」では、週一回2時間、通年やっています。

浅見 祭りの時期でなくても、毎週練習をしているんですね!

見山さん はい、そうですね。そして今はシーズン真っ只中ですから、もっと頻繁に行っていますよ(笑)。

浅見 お仕事をされながら、それほど練習をするのは大変ではないですか?

見山さん むしろ、練習に合わせて仕事を終わらせる意気込みでやっています(笑)。阿波踊りは楽しくて仕方ない、ほんと、阿波踊りがなかったら私の人生どうなってたんだって思いますよ(笑)。それくらい阿波踊りの存在は、私にとって大きいものです。

笑顔あふれる南越谷阿波踊りを感じてほしい

浅見 見山さんの阿波踊りへのこだわりはどんなものがありますか?

見山さん そうですね…自分が笑顔で楽しみたい、そして見ている人に笑顔になってもらいたい、というところですね。

浅見 先ほど、踊りを見させていただきましたが、本当に楽しそうで、見ているこっちも笑顔になっていました。

見山さん そうなんです!見ている方に笑顔になってもらいたいんです!夏になると、様々な祭りに出かけて、阿波踊りを踊っているのですが、私たちが踊りを披露すると歓声が上がって、見ている人たちがどんどん笑顔になっていくんですね。それが本当にうれしいです。

浅見 それは素敵ですね!

見山さん 以前、東日本大震災の仮設住宅に慰問に行って阿波踊りを踊ったときに仮設住宅の住民の方に、ものすごく喜んでもらったんです。人を元気にできる阿波踊りをどんどん広めていきたい、そう思っています。

浅見 南越谷の「踊り」の特徴を教えていただけますか?

見山さん 正調※2にこだわりつつ、その中でいかに自己表現をするか、にこだわっていることですね。阿波踊りの本場である徳島の踊りにはすごく憧れがありまして…、正調を守ることが大切だと思っているんです。鳴り物に合わせてステップをイチ、ニ、イチ、ニと正確に踏む。その中で、個性を出しながら、踊っていくんですね

浅見 なるほど、基本に忠実に、その上で自分なりの表現を演出していくんですね。

見山さん はい、踊りは本当に個性豊かですよ!

阿波踊りはとにかく自己表現。踊り方もバラエティに富んでいますし、男踊り※3でも手に持つアイテムが違ったりします。それも面白いところですね。

浅見 本場、徳島に負けないと思うところはどこですか?

見山さん そうですね。とにかく笑顔の数では負けないようにしているところです。

南越谷の阿波踊りは、踊っている人と見ている人の距離感がとても近いんです。だから表情も伝わりやすいし、迫力も自然と伝わっていくのだと思います。

浅見 間近に迫る阿波踊り、すごく魅力的ですね…それだけ阿波踊りに打ち込み続けている見山さんが、今チャレンジしていることはありますか?

見山さん 今年は「コラボ踊り」、というのをやろうとチャレンジしています。

浅見 「コラボ踊り」、それは興味深いですね。どんなものでしょうか?

見山さん 女踊り、男踊り、子どもの踊りは通常別々に踊るものなんですね。そこをあえてそれぞれの踊りを織り交ぜることにチャレンジしています。今は練習中ですが、本番までにはなんとか披露できると思います!

浅見 おお、すごい!長年続けても、こういった新しいチャレンジをすることで、全く新しい魅力を作ることができるんですね。

見山さん はい、だから阿波踊りは奥深いんです。(笑)

浅見 なるほど。最後に、南越谷阿波踊りの楽しみ方を教えていただけますか?

見山さん とにかく、一人一人の踊り方が違って、個性が溢れています。そこに着目してほしいですね。

浅見 なるほど、全体を見るだけでなく個人を追って見たほうが面白いと。

見山さん そうですね、綺麗に揃っている全体を楽しんでもらったあとは、一人一人の動きをじっくりと見てほしい。中には本当に個性あふれる、面白い動きの人がいますから(笑)!ぜひ、見つけてほしいです。

浅見 それは見逃せないですね(笑)。

見山さん あとは、当日だれでも参加できる阿波踊り教室が開催され、そしてその参加者が「にわか連」として流し踊りを体験できます。阿波踊りの基本は本当に簡単。誰でも踊りやすいのが何よりも特徴なので、まずは阿波踊り教室に参加して、「にわか連」として阿波踊りを体験してみてほしいです。

浅見 わかりました、とっても楽しみです!本日はありがとうございました!

南越谷阿波踊りに誇りをもち、幅広い年代の人たちと交流している見山さん。「阿波踊りがなかったら自分の人生がどうなっていたかわからない」と話されるほど、阿波踊りへの並々ならぬ想いを伺うことができました。

繊細かつ大胆な踊りを突き詰めている方々の「南越谷阿波踊り」。ぜひ、今年この踊りを目の前で楽しんでみてください!


《注釈》
1、女踊り:女物の浴衣に網笠を深く被り、下駄を履いて踊る。艶っぽく、上品に踊るのが良いとされる。
2、正調:伝統的に受け継がれてきた踊り方。ここでは、本場徳島の「イチニ、イチニ」の二拍子に合わせ、右手・右足、左手・左足を交互に前方に出す踊り方のこと。
3、男踊り:半天踊り(はっぴを着て踊る)と浴衣踊り(浴衣を着て踊る)の2種類がある。踊りの所作の振りは大小さまざま、時には勇猛に、時には滑稽に踊る。うちわや提灯などを手に持って踊ることも多い。